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風見鶏ローディー①
「ローディー朝とは、インドのデリー・サルタナット朝の最後の王朝(1451〜1526)である。アフガン系のバハロール・シャーによって創設された」
ママは自分で書いたメモ用紙を一本調子で読み上げる。そこまでやられるとむしろスッキリする。
「なんだ、そんなんじゃないだろう。よくあるカタカナ職業のADとかEDの類いさ」
パパは理解のあるところを示す。
「違うわ、高い自転車に乗るのが趣味な人なの」
「とにかく、お前が気に入った相手なんだから反対はしない。ただしフラフラされても困る。できればウチの屋敷の屋根のてっぺんの雄鶏を外してキミのロードバイクとやらに付け替えて風向計と一緒に同じ所をぐるぐる周る覚悟を決めて欲しいね」
そのとき、彼の目がママの書いたメモ用紙をとらえた。
「どうして」
と言葉を切る。
「わかったんですか、僕の先祖のこと」
そして私の手をつかむと
「さあ行こう」
と愛車にまたがり漕ぎはじめたのだ私の彼氏カザー・緑・ローディーは。
410文字
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