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「感想文部」黒星編

 ついに私は感想文部屋送りになった。感想文親方の仕切るあそこである。家族や友達は憐れみの眼差しで私を見る。おいおい大丈夫か? とんでもないかわいがりにあうぞ? 
 感想文(がんしゃんうぇん)氏が外国人であることは公然の秘密である。彼は嫌われ者キャラとして立場を確立していた。
『人参ジャイアン感想文』
その言葉を耳にしただけで子どもたちは身震いして顔をしかめる。
 だがここで朗報だ。私は感想文が嫌いでない。いやそれを読むのが好きなのだ。言ってみれば「おすすめのツイート」というのがいつのまにか表示され、いいねやRTそしてリプライに何桁もの数字がついている。いったいどんな感想が? それらを閲覧するのは面白かった。あるいは自分が楽しく読んだ本のレビューを検索するのも好きだ。
 だがそんな私を待っていたのは、やはり退屈で面白味がなく押しつけがましい物語と大量の白紙の原稿用紙であった。思考は停止した。そして詩稿を踏むしかなかった。

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