男子男子男子

「魏の曹操、呉の孫権、蜀の劉備、みーんなオトコだ。男子男子男子じゃねーか」
男子宝石など大衆文学を対象にした文学賞といえば尚樹賞であるがそのノミネート作家にも受賞作家にも女性がじわじわと増えてきているという話題がでたときの、それでも男の方が上じゃね? の根拠がこれであった。
「いったいいつの時代の話をしているのだ? 翼徳よ」兄貴分がたしなめる。
「まだまだそんなところまで行っておらんぞ」
我ら三人男子男子男子でこれから桃園で誓いを立てようとしているのだ。しゃべっているうちに歩き過ぎた。草原をどんどん行くとやがて黒っぽい海にたどり着いた。いずれキーフ公国だろうか。羅馬は避け北へ行こうではないか。ついに地の果てに着いた。海の向こうはストックホルムとやらだ。その先は、んんノルウェイの姦?また女か。
「雲長の兄貴、女を見て木を見ずだな」
弟分が笑う。省(しょう)からかなりはみ出したな。男子男子男子はしばし戦を忘れていた。

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たらはかに様の企画の裏お題に参加しています。

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