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「プロのバナナ」②-2

「お電話ですよプロノバ先生」
ああまたか。すみませんと点滅中の内線ボタンを押す。奈々でいいですよと追加するのも忘れない。なんとなく苦情処理力を買われてしまいモンペ対応係になっていた。
『今度の演奏会の曲目ですけどプロコフィエフの3本のバナナへの恋に決定したそうですね』
どうして情報が漏れているのよ。しかも間違えているし。
『その作曲家がドネツク州ソンツォフカ出身だからですか。でも作曲したのはニューヨークですよね。のちに祖国ソビエトに戻っていますよね。何よりストーリーに人種差別的部分がありますよね』
いいえ候補になっているのはニューヨーク出身の作曲家のバナナ組曲ですからご心配なく。とにかく今は仕事中なの。私の声が聴きたいからってモンペのふりはやめて。あなたはプロのバナナスプリッターとしてパフェ作りに集中してよダーリン。夫のプロノーヴァさんの正体がわが身を削ってバナナパフェを作るプロのバナナであることは職場ではまだ内緒だ。

410文字

②の続編です。思いがけないカーテンコール😅に赤面しつつ💦

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