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肝試し美人化 昔話編

(前半あらすじ)難病に苦しむ幼い社長令嬢Pのために密かに適合するドナーを探していた外科医Qは偶然条件にピッタリ合う患者の少女Rに出会う。彼女の美貌の母親Sの正体にはまだ気づいていない。

「Q先生、RをPさんのお家に招待してくださる件ですけど願ってもないお話ですわ」
その笑顔にQの心はぐらりと揺れた。仕事のしがらみで社長には逆らえない。だが彼の心はすでにSの手管で骨抜きにされかけていた。
「Rはいま親戚の家に遊びに行っていますの。すぐ連れて参りますわ」
戻って来ないだろうなと医師は考えた。だがその理由は少し違った。RとはSが薬で変身した姿だったのだ。

スポンサーとして作らせるドラマの原作SSと昔話クラゲ骨なしを読まされた社員が感想を口にした。
「この海の王様は酷いですよね。それで我が社の若年化する薬ですけど、やっぱり美人化する薬として売るほうが良くないですか?」
社長Tはしばらく思案した。
ダメだ、こいつは肝がすわっていない。

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たらはかに様の裏お題に参加しています。

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