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「結婚式ゾンビ」或は「く響緑」

 青白い少年が一人で公園のベンチに座っている。そこにハトがやってきてたずねた。
「何でそんなに元気がないの?」
「だってボク、ゾンビなんだもの」
「どうして決めつけるの。そもそもゾンビなんて本当にいるの?」
少年は懐から一葉の写真を取り出した。そこには顔色の悪い男女が正装して写っていた。
「これがパパとママの結婚式の写真だよ。二人ともゾンビでしょ。だからボクもゾンビなのさ」
ハトは笑って反論した。
「そもそも本当にゾンビならばキミは産まれていないよね。聞いた話だけど、一時期黒い水に映る姿を残すのが流行っていたんだ。キミのご両親もそれにならったようだね」
写真を黒い水に映すとそこには生き生きとした美男美女がいた。
「これがご両親の本当の姿だよ」
少年はうなずいた。
「わかった。ありがとう」
少年は「黒字に反転させる」自己アピールを就活で活かせるかもと考えていた。ハトの仙人はあのゾンビたちどうやって子作りしたんだろうといぶかっていた。

409文字

ポケット大増殖②のスピンオフ🕊です。

東山魁夷画伯の「緑響く」を上下逆に壁にかけていたことを発見して思いつきました。

たらかはに様の「毎週ショートショートnote」のお題「結婚式ゾンビ」③作目です。

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