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yoshizuka
「ポケット大増殖」①
「さあ、がんがん行っちゃうよ六文銭の歌を歌え！」
客船サンズの船長がドンペリの瓶を振り回している。思ったよりにぎやかで楽しそうだ。あちこちで乱闘騒ぎが始まった。ポケットは空っぽだったが拳で嘘の膨らみをつくり何か隠し持っているかのように構えてみた。カタそうな奴がライと言ってもそっちじゃありませんとうるさく指摘してくる。だがガンはポケットの中で大増殖。雁じゃなくてツグミですよと畳みかけるのでパイを投げつけると砕けて相手は口をつぐむ。
「つまりですね、私が言いたいのはこうしているあいだも、誰かが私腹をこやしているのです。それから銃の所持は法律で禁止されていますから！」
こんなところに来てまで法律？ クソ真面目なやつには構ってられない。
「いいんですか、こうしてポケっとしているあいだに歯周ポケットに歯垢が大増殖して税金も体脂肪率も銃倍で6%が60%になるんですよ？」
あれれ？ それって、オレらがまだ生きてるってことじゃん？
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