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「カミングアウトコンビニ」②

 暗闇のなかで僕はもがいている。お姉ちゃん、どこに行ったの、誰か助けてよ。
思えば姉は昨日からずっと不機嫌だった。
「こんなふうに小学生に英語を学ばせることが悪いとは言わないよ、」
きっと僕のプリントの最悪な点数が不満なのだろう。
「でもやっぱりおかしい。どうして一つの単語と一つの意味だけが対応しているの。
カムアウト=出て来る
でも世間的には公言としてとらえられている。 そんなことで噛み合うと?」
なんて、ぼやいていたっけ。 

 周囲がにわかに騒がしくなった。誰かがテレビをつけたのだ。画面の中に放送コードぎりぎりのきわどい姿で踊る女が映し出された。
男たちはヒュー。
女たちはブー。
のろのろと姉が姿を見せた。あたりはパアっと昼になる。
「どこにいたんだよ」
「ちょっとそこでジュースとスイーツ買ってた」
きまり悪げに付け足す。
「この際はっきりさせておく。アタシは神じゃない。でもなんでこの神々しいアタシと、あの根暗な月読がコンビに?」

408文字

だよね、僕も未成年だし小瓶に、、、

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