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伝書鳩パーティ② おとぎ話編

「今夜はパーティよ。思い切りドレスアップして朝まで踊り明かしましょう。妙なる調べのなかで美味しい料理にあらゆるお酒。食べ放題飲飲み放題ニコちゃん草だってやばめの草だって喫い放題のヤリ放題!」
姉たちは招待状を受け取って大はしゃぎですが、シンデレラはひとり浮かない顔です。暗い土の上にいつまでもひとりでたたずんでいます。凍るような声で
「あたしの足はこんなにも小さい。足首はこんなにも細い。身体は羽のように軽いからもともと地面を這うのには向いていないのかも知れないわ」
「バカなことをいっているわ。ほおっておきましょうあんな子は」
もとから仲間に入れるつもりもないくせに。
「大空に投げだされたとしても戻ってくることだってできそうなのに。なぜあたしたちはそれを実行することを許されていないのかしら」

「お前たちせいぜい楽しめ、明日は出荷だ」

 カゴの編み目の向こうには空が広がり文を身につけて飛び交う同胞の影が小さく見えていました。

408文字

本歌につられてつい暗くなってしまったわ。でも神仏の加護(加護)のおかげで後ろの正面に当たってうまく脱出できたわ。今では神社の鳥居で暮らしているの。メッセージのお届けなら受けていてよ。鳩は明るく鳴いた。

たらはかに様のお題に参加しています。

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