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大増殖天使のキス 仏蘭西編

王妃さん大変やね、お菓子で手当出すんやて。
もともとうちらの税金やん。
パンがなければ、なんてイランこと言うてやから。
おかげで菓子屋だけはホクホクやん。
菓子はええから新しい車欲しいて駄々こねよるねん。
ボンが? 
オトンや。 
まだ生きとるんか。菓子の売り上げで新車買うたらええやん保険かけて。
保険料高い。せいぜい菓子のやけ食いや。
やがて菓子工場で火事が起き保険金でさらに焼け太ったという。
 だが世間はこうした恵まれた人々ばかりでなかった。ある日上空を大増殖した青ざめた天使たちが旋回していた。
迷える天使さんどないしはったん? えらい顔色悪いなあ? 
あんな、画家さんがな、王妃さんのケーキの苺塗るんに赤つこてしもてん。うちらの頬紅さえあれへん。ほんでな、王妃さんの血分けてもらわれへんやろか。待ってんねん。断頭台の出番。

民ども。よくお聞き! エンゼ○パイストロベリー味じゃ。初恋のキス味やで! 

ナポレオンパイの登場が待ち望まれた。

410文字

たらはかに様のお題に参加しています。

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