柴田さんとのシバジム面談
シバジムでは6月に期がかわります。7月からいよいよ、17年目に突入です。
ごく自然に毎日明日を迎えているけれど、吹けば吹き飛ぶような小さな会社ですし、10年持つ会社は5%ということですから、これは、本当にすごいこと。ここまで支えてくれたすべての方に心から感謝します。
会社をここまで続ける中で、沢山の危機があったと思います。
柴田さんにこの前、取材だったかな?これまでの会社の危機の話になったとき、「そういえば、会社が潰れそうだったこともあったね?!あの時は出産直前で臨月で、お腹大きいけど本当に毎日寝られなくて泣いて暮らしてたなー。」と笑いながら語っていました。何かピンチの事件はないですか?!と聞かれて、ウンウン考えないと、あれ、私たち危機なんてあったっけ?!と中々でてこない、ノー天気な2人です。
何があったとしても諦めなければ、つまりこの試合から降りることがなければ、どんな経験であっても後から笑い話になる。一番怖いのは、ピンチの時に逃げた自分と対峙すること、それが何より怖いことであると柴田さんは言います。逆に、「あの本当につらい時も、私は諦めなかった。逃げなかった。だから今回も大丈夫」という経験の積み重ねが、自信につながるとも言います。私はその言葉を信じています。
私の入社したタイミングで、そんな大きな会社の危機があって、憔悴した柴田さんから、本当にごめんね。と言われた時に、絶対に力になりたい。と震える心で決意したのを覚えています。
そしてそんな柴田さんを支えるたくさんの仲間がいて、ある経営者の方は、大きな飲食会社の社長さんにも関わらず、自ら腕をふるって炒飯をつくって励ましてくれたそうです。私もそんな仲間がいる人になりたい、そして仲間のピンチの時には力を貸すことができる人にいつかなりたい、と強く思ったことを覚えています。(ピンチの時に貸せる力があるって、嬉しいことですよね)
そんなこんなを経ながら時は経ち、シバジムは、小さいながらも人数やプロジェクト数は倍になり、優秀な若者たちがたくさん入社して、様々な素晴らしいお仕事の機会をいただけるようになりました。いよいよ17期に突入です。
さて、みなさん、期の終わりには自分の一年を省みていますでしょうか?
シバジムには、シバジム面談という仕組みがあります。三枚にわたるシートに自分の振り返り、シバジムスタンダードチェック、コンサルタントとしてのスキルチェックを行います。
(この仕組みも柴田さんと考えました、柴田さんは仕組みを考えることが大事といつも言います)
私も自分のチームの子と面接をしました。心の中を吐露して、例え耳が痛いことでも受け容れあうことはお互いに心身共にくたびれるものです。でもそこで新しい一年の指針がみつかったりするものですから、柴田さんは日々迷いながら進んでいる私たちに灯台のように何かの指針となる光を渡したいと心を砕いてお話してくれます。人に真剣に向き合うというのはなんとくたびれるけれど、なんと尊いものなのか。
私が柴田さんと面談していわれたのは、「好奇心の塊になれ。そして、失敗してもいい、恥かいてもいい、知らない扉を開けてみろ。そして心の壁を広げろ」ということでした。
柴田さんは普段から私に、カチューシャをつけてみてはどうか!?とか、鉢植えのお花を育ててみてはどうか!?とか、黒ばっかり来ていないでこの明るい服を着てみてはどうか!?
そんな些細なチャンレジを私にさせてみようと試みます。
最初はえ!?(いやだ)・・・となっていた私ですが、
それは、私が非常に頑なであり、照れ屋でカッコつけに拍車がかかり腰が重くなってきており、ある程度の経験を積んできて、変わることを更に許容しなくなってきた私を、危険だと感じての言葉なのでした。
自分の出来ること、得意なこと、仕事を10年もやっているとそれがわかって、そこに自分の身を置きたくなります。
36歳になり、副社長などと呼ばれ、一通りの経験値をつみ、周りから指摘を受けることが少なくなりました。
辛辣な本音は語られることがなくなってきました。私はお喋りや見せ方ばかり上手くなり、中身のない虚構虚栄の自分を感じ苦しい一年でした。成功とも思えない狭い自分の世界から出ることができなくなり、その閉塞感を心地よくも苦しんでいた私にとっては、新しい指針となる言葉でした。
変化することは苦しくて居心地が悪く、恥ずかしいもの。もう一度そこに漕ぎ出せ、というエールなのでした。
あともうひとつ。
スキルを身につけたい、本当のプロフェッショナルになりたいという私に、柴田さんは、「あなたが時間の無駄、自分の何かを奪うもの、と遠ざけようとしている、人との関わり、そのひとつひとつがもたらす人間力こそが本物になるために必要な能力なのに、なぜスキルと人間性を分けて考えるのか」という言葉をかけてくれました。私の後輩が、私との1年を人生で最も成長した1年と言ってくれたことを、何より喜んでくれたのです。照れずに向き合えと。心を開いて、人間と関われ。人間性を磨けと。果てしない道のりです。
36歳になり、もう一段頑張るために、
傷ついても恥かいてもいいから、好奇心を持って、苦手なこと居心地の悪いことにも飛び込んで行こうと思います。
そして恐れずに人と向き合い、人とかかわること。
こうしてここにこんな情けないことを書くこと自体が相当カッコ悪いのですが、それ自体が私のプチチャレンジなのでした。
中原真理