時間が空いてしまいました。気が付いたらすっかり秋ですが、皆さんお元気でしょうか?
私はこの一か月半くらい、ずっと企画を書いていました。こういったことは珍しいのですが、今週同日に2本、その2日後に1本、計3本のプレゼンが重なったため、ただひたすらに企画に向き合うという殺風景な?日々を送っていました。

私の仕事は多岐にわたりますが、
その中でも、企画の仕事が好きなんだなあと改めて感じる機会になりました。今世の中には無い仕組みを考えて、あったら良いもの、あるべきものに昇華していく仕事はとても難しいけれど素晴らしいことだと思っています。(そういう仕事の機会をいただけることに本当に感謝しています)

そういう思いはあるのですが、私は企画を立てるのが不得意なので、反省や反復をして埋めてきた部分があって、だんだん好きになってくることができた昨今です。
学生時代、私は運動神経が普通でラクロスがへたくそだったので、うまくなるために必要なスキルを細分化して反復を重ねて、その経験からコーチになって教えることができていたのと同じように、企画も、出来ないからこそ今なんとなく自分の中で書くためのルール?のようなものができあがっていて。それを今日は備忘録的に、あとは同じ状況で迷っている人がもしいたらと思い、書いてみることにします。

■時間を「生み出す」
のっけから企画の話ではないのですが、よし、企画の仕事をやるぞ!となった時に私にとって最も大事なのが時間の確保です。
私は、それぞれ忙しさは異なりますが常時5~8くらいのプロジェクトを担当させていただいて、日々進行しています。
通常それでいっぱいなので、そこに企画が入ってくると時間を確保するために、こじあける必要がでてきます。なおかつ私は不器用な人間で、効率が良いとか上手くやるということが苦手ですので、何か方法が大切になります。
(結局物理的に時間を生み出すために、この一か月間も友人と旅行にいって先に帰ったりと人でなしなことを2回してしまったのですが、そんな私を応援してくれる友人ばかり、、、という素晴らしい友人に恵まれていることも大きいですが、、)

企画を書くに限らず今皆さん忙しいので、
誰もが時間が足りない状況を日々過ごしているかと思います。
私も結局上手くできていないのですが、私にとっては良い企画をつくること=時間を生み出すことなので、

・とにかく精緻な業務の整理
・整理したタスクの細分化とスケジュールに落とし込む(それこそ1時間毎)
・時間をかけるタスクと、即時即決のタスクを分ける
・日常の時間も整理する

ということを心がけています。

業務を細分化することはとても重要です。例えばデザイン案を考えると一口いっても、1)リサーチする 2)分類して傾向をまとめる 3)新しいエッセンスをいれるためにインプットする 4)ラフで書いてみる 5)メンバーとその時点でいったんブレスト、方向性を3つにかためる 6)デザインを起こしてみる 7)ブレスト2回目 8)デザイン 9)絞り、企画書を作成し、チェックをうけて2回直す
といった具合に、細分化すればTODOとフローが明確になるので、提案日から逆算して全ての日程を先に決めます(シバジムの私のチームだった人は知っていると思いますが、1プロジェクト用に空のマンスリースケジュールを出して、全てプロットし、関係者のスケジュールを先に全て押さえてしまいます)

マンスリーの流れができると、今自分が何をするべきかが分かります。ゴールから逆算してこの1週間どこまで何ができている必要があるのか。
例えばリサーチというタスクにしてもどんな風にリサーチするのか、バラエティが必要なのか深堀が必要なのか、どのくらいの量が必要なのかなど方法を決め、それをウィークリーとデイのスケジュールに落とします。毎日1時間毎のスケジュールを決めて(大きい時計をデスクにおいて自分にハッパをかけています。…大抵目標からずれてガッカリするのですが)1日の終わりに進捗を整理して、次の日のタスクとスケジュールを管理します。日々と週のタスクの目標が明確にわかっているので、ゴールに向けての遅れとリカバリーの対策を立てることができます。漠然とはじめるんじゃなくて、どういう方法でやるのかと、どのくらい時間をかけるのかを先に決めてからスタートすることがオススメです(じゃないと、私のような人間はのんべんだらりと作業し続けてしまうので)

あとは、よく言われることですが、企画書きながらも日々の仕事があるので、そちらは15分でできることはとにかく即時即決で進め、一呼吸おいて考えたほうが良い仕事は積み上げておいてあとで解決する。という風に選別しています。(これは忙しさに負けて曖昧な判断をしないようにちゃんと自分を律しないといけません)
あとは、これはおすすめしないのですが、睡眠時間含め生活の必要な時間を精査して、どこまでここをスリムにできるかということも、追い込みときはやったりします。文章を読んだり判断する時に自分をクリアに保つことが非常に重要なので、最低睡眠時間は決めるのと、何を食べるのかもあらかじめ決めています(会社の人にはいつも同じもの食べて呆れられています)。健全な自分を保つのに苦労していて、周りにも迷惑をかけてしまっているのですが、とても重要なことだと思っています。

■弁当箱でいうと、弁当箱の大きさと枠組みをつくってから中味をつめる
弁当箱というのは提案のボリューム等アウトプットの姿のことです。
私の仕事は提案資料などにフォーマットがあるわけではなく、毎回課題に対して自由演技なので、最初にここを握らないと作業の時間が見えなくなってしまいます。
つくるものの深度やサイズを最初に決めて握ること。私たちは「台割」といって企画のページネーションで骨組みをつくった時点で柴田さん含め確認をとります。50Pなのか100Pなのか。アイディアが必要なのかビジョンが大事なのか。物語でかたるのかロジカルに語るために数字をつけるのか。それはクライアントの与件に対して正確に打ち返せているかを測ることができるので、まず最初にアウトプットの骨子を握るようにしています。
もちろんつくっていく過程でずれていきますが、とりあえず全体像が分からずに弁当の中味から作る人が多いので、まず枠から握って詰めるのはその後がいいよ、と思います。

■風呂敷はこわくても畳むのは後半に
今回の3つの企画のうち2つは初めての分野だったので、勉強をすることからはじめました。ただでさえ時間がないので焦ってしまうのですが、ここは落ち着けということで2週間近く、ずっと本を読んだりセミナーを受けたりしていました。
1文字も進んでいないわけですから私って一体…となって夕方にはくらーい気持ちになるのですが、焦ってその業界のことを理解しないまま書く言葉は本当に浅いものになって、あとから見返すとなんじゃこりゃ…となってしまうもの。
本を読んで知識を貯めること自体にも意味はありますが、その時感じた自分のフレッシュな反応(気づき?)を大切にしています。そしてそれをひたすら書き留めます。なので、本を読みながらパソコンでメモしたり文章をすべて書き写したりしているので時間もかかります。でもそこで感じた「○○○が一番の課題なのでは?」「これを置き換えて、こんなのあったらいいかも」といったシンプルな問いやアイディアは、あとからまとめていく時に重要なポイントになります。
資料を読みながら刺激を受けて企画の種のようなものを書き留めて、何もできていない怖さに負けないで、ひたすら修行僧のように重ねることで、何かが輪郭を持ち始めるように思います。で、ちょっと貯まったらまとめてみて、人と話す。
今回でいうと、柴田さん、一緒に書いているチームメンバー、に加えて外部の有識者の方にもお手伝いいただいて聞いてもらったり(計15時間くらいテレカンにつきあってもらった)、ユーザーである社員のお母さんや友人と話したり、クライアントのチームにインタビューを行ったりと、仮説を磨いていく作業をしました。

■言葉化する
考えがまとまって、最後に言葉にまとめます。勿論プレゼンで語り切れる人はそれでもいいと思うのですが、私はそのまま話せば全て網羅できるような資料をつくって、企画書がクライアントの社内で回覧されて説明なしにでも理解できるものにしています。
言語化のコツは、もともとどのくらい言葉を書いているかとか読んでいるかにも関わってしまうのですが、私の中でも反復を重ねるうちに最もスピードがあがったのがここで、頭にある言葉を打つときには整理された言葉に1回で書けるようになると、圧倒的に作業効率があがりました。できないときは、もやもやした言葉や過剰に修飾された言葉を一旦書いて、きれいに整えていくという作業にとても時間がかかっていました。これは単に練習の問題で、誰でも手に入れられるスキルではないかと思います。


■なぜやるのか?という部分に立ち返る/近くでみたり、遠くから見たり
なぜやるのか、この企画は何なのか?という想いに立ち返るようにしています。企画をつくる1か月半の時間の中で、少しずつずれてしまうことが良くあります。少しまとまってきたら、「企画のための企画になってしまっていないか」「自分のための企画=評価されたいという軸になっていないか」「机上の空論の企画=正論だし立派だけどそれ世のなかの人が本当に使うの?」「クライアントのための企画=クライアントの与件をうのみにして相手を喜ばせることに終始して本当に意味あるものになっているのか?」という風に見直す目をもつことにしています。書いてみて、まとめてみたときになんか変だぞ、ゆがんでいる、目的と少しづつずれてる、と思うことは本当に多いです。
気を付けているつもりでもよこしまな?心が入ってくるから自分ってけっこう都合がいいんだなと思って呆れています。そういう意味で自分を疑うというか、途中でまとめてみて、近視眼的な目を一旦置いて、遠くからみてみたときに違和感を感じないか?確認するというのをよくやるようにしています。


・・・・

つらつらと今思うことを書いてみました。
3本書いてみた経験を踏まえて、今時点で、ここが大事だなあと思っている部分です。少しでも何かの足しになったのなら、嬉しいです。何かお役に立つことが書きたいのですが、こんな感じですみません。読んでいただきありがとうございます。
寒くなってきたので、皆さんどうぞ風邪ひかないようにしてくださいね。

中原真理


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