今、この状況でどんなことを書けばいいのだろう・・・
と、悩みながら筆をとっています。

この状況は、私がこれまでずっと戦ってきた、「不確実性への不安」そのものだなあと思ったので、その話を書こうと思っています。

私はとても不安の強い人でした。いつも完璧に行かないことを恐れ、失敗して恥をかくことを恐れ・・・不確実な未来を恐れていました。
ハウルの動く城で完璧なハウルが実はいくじなしで、たくさんの御守りを部屋に飾っているシーンがありますが、私も、神頼みなげんかつぎなアイテムやら、プレゼンの時には星柄のパンツをはくやら、様々なマイルールでなんとか命をつないできた感じがあります。

「今日のプレゼンうまくいくだろうか」「今日の柴田さんへの提案、何て言われるだろうか」寝る前そんな不安に掻き立てられ、朝はそんな不安で目覚め、シャワーから出る水のひとつぶひとつぶが絶えず仕事の不安に見えるくらい、不安に襲われ続けて、例えばプライベートでお友達と一緒にいて楽しいシーンだったとしても、不安を抱えてどこか心が落ち着かないような20代後半を過ごしていました。

私が恐れていたのは「不確実な未来」です。プレゼンでパソコンがつかない。データを間違える。上司やクライアントにがっかりされる。そうじゃない確証はどこにもない。もちろん地道な確認はできますが、どこまでいっても「絶対に大丈夫」という確証を得られることはない。その不確実さにイライラしていたのだと思います。でも、別に何をもっても確実を証明することはできない。

最近私が、昔ほど不安に苦しめられなくなったのは、
「まあ、トラブったとしても、何とか巻き返せる」と思えるようになったことが一つです。
これは、経験や年齢がもたらすものなので、不安を抱えている20代の方は、
しっかりと仕事に向き合って33歳くらいになれば、こんな境地になれると思います。
「大勢(たいせい)に影響ない」と柴田さんはよく言います。
小さなトラブル、ミス、思う通りにいかないこと。「まあ、なんとかなるさ」と流せたりいなしたりする精神と、自分への少しの信頼こそが、不安を少なくする方法だと思うのです。

あともう一つは、私が何度も何度も読み返して折れ線だらけの本「本当の勇気は「弱さ」を認めること」という本にたくさんのヒントがあります。TEDスピーチでも上位に名を連ねる、ヒューストン大学人気教授、ブレネー・ブラウンさんによるベストセラーです。この本は、私のコーチングのコーチが私にすすめてくれました。その冒頭紹介される、ルーズベルト大統領の「競技場に立つ人」という言葉。


『ただ批判する人だけの人に価値はない。強い人のつまずきを指摘し、やり手ならもっとうまく出来たはずだと、ただあげつらう人だけの人には。称賛されるべきは、実際に競技場に立つ人だ。ほこりと汗と血にまみれながらも勇敢に戦う人だ。ある時は間違いを犯し、あと一歩のところで届かない。そんなことが何度あるかもしれない、何をするにも間違いや欠点はつきまとう。それでもなお、事を成し遂げようともがき苦しみ、情熱を燃やし、力を尽くし、大義のために身を粉にして励む人こそ偉大なのだ。順風ならば最後に勝利が輝くだろうし、最悪の場合、失敗に終わるかもしれない。だがそんな人たちは、少なくとも果敢なる挑戦をしたのである。』

その言葉は私のこころを大きく支えてきました。
不確実な未来に対して今私ができること。
それは、どうなるかわからない未来を憂いて不安に掻き立てられることではなく、「ベストを尽くす」ということだと捉えました。
私は完璧ではないし、時には失敗をする、判断を誤ることもあるだろう、でも常に私のベストを尽くし続ける、それ以上できることはないのですから、
ベストを尽くしたら、あとは頭から放り投げて、忘れていいのだと思う事にしました。

今、この状況も、そんな心でいます。能天気なのかもしれませんけれど。
仕事のこと、会社のこと、自分の生活のこと、
日々めまぐるしく状況は変わり、その都度未来を憂いていたら心が持たないように思います。私もぜえぜえ心が苦しい時がありましたが、今できることはいつもと同じ、私のベストを尽くすこと。

こんな時でもお仕事をくださるクライアントさん。不安ながらプロジェクトを進めるクライアントさん。まずは全力でその仕事をすること。そしてテレカンでは充実したなるべく楽しい会議をすること。柴田さんの不安をなるべく軽くすること。会社にとって最善を尽くすこと。後輩が充実した時間を過ごせるように工夫すること。リモートだけど伝わるように努力をすること。大切な人と楽しい話をすること。ビタミンとってたくさん食べて良く寝る事。感染しないようにすること。今の私にできることはそういったことだと思います。なので、私は私のベストを尽くしたいと思います。

蛇足ですが、シバジムはみんな、こんな状況ですが、お互いに思いやりをもって接しています。こんな時にも自分の不安をおして、思いやりをもって、シバジムらしさを失わず、みんな、すごいなあ、素敵なメンバーだなあと手前味噌ながら自分の会社が好きになりました。

自分の中のベストで良いのですから、誰かと比べて落ち込む必要はありません。
皆さん一週間お疲れさまでした。
心健やかな週末を過ごせますように!

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