保護犬リキの日常 vol.02
【自己紹介】
僕はリキ。
いまのパパさん、あの日少しお酒が入っていたのか、突然、「家の子になれ!」と言われ、
ボクは保護犬預かりから
ここのペット犬になりました。
たぶん6歳。
我が家には先住犬に黒柴の福ちゃんがいます。
可愛いけど性格がヤバイ子です。
ママは「リキチャーノ!」と呼んで
可愛がってくれます。
◇
vol.02
(保護犬リキになるまでのエピソード)
お散歩
「福ちゃん、リキ!散歩行こう!」
パパはそう言うと、福ちゃんとボクをヒモに繋ぐ。
!!
外に行くんだ!!
ボクにとって散歩は食べ物を見つけにいく日常だった。
おしっこも出来る。
ボクも福ちゃんもオシッコはおうちでしない。
敵に棲み家がバレちゃうから。
黒柴の先住犬である福ちゃんは、
「敵?そんな奴いるわけないじゃん!笑」
とか言うけど、福ちゃんもなぜか外でしかしない。
ママは、
「トイレシートの上でして。」
「雨の日とか困るのよー、リキちゃん!」
「リキチャーノ!はい、練習。」
ボクをお風呂場のその場所へ連れて行く。
最近、福ちゃんは、
トイレシートにするとママが
チーズのおやつをくれる事を知ってから
頻繁にする様になった。
福ちゃん、最近ふっくらしてきたよ?
さて、散歩だ。どこ行くのかな?
昨日は山にのぼった。
おとといは海だ。
パパさんはいろんなとこに連れてってくれる。
此処は海も山もすぐ近くにある。
だけど、前に住んでた河原や、大きな川はないよ。
最近散歩してても、
獲物を捜さなくなったよ。
ママがちゃんと朝と晩にご飯くれるから。
いろんな仲間とすれ違う。
みんなニコニコしてる。
ボクは違う。いつもガウガウ威嚇してる。
取られるはずのない獲物を守るために。
「あーもう、リキ!うるさい!」
「吠えるのオマエだけじゃないか。」
「引っ張るなって!」
「あっ、すみません、保護犬なんで、挨拶の仕方わかんなくって。」
「向こうの子、逃げちゃったじゃないか。」
「いい加減もう慣れろよ。そのうちみんなに言われるんだ、乱暴者のリキって。」
「なんだろなー?福ちゃんがとなり歩いてても大丈夫なのに、なんで他の犬には吠えちゃうんだろ?」
パパさん、ごめんなさい。
わかってるんだ。吠えちゃダメなこと。
だけどみんなと目が合うと、
お腹が言うんだ。
エサを守れ!って。
福ちゃんはいいの
同じ群れだから
◇
夕暮れの河原
カンカンカンカン、、、。
ガタンゴトン、ガタンゴトン、、、。
「さあ、ついた」
「起きろ、〇〇」
💤
ん、おじいちゃん。ここどこ?
「おりてくれ、〇〇」
「オマエは今日からここで住むんだ」
「ここならいろんな食べ物が落ちてるから大丈夫だろう」
「バーベキューの残飯、コンビニ弁当の捨てた袋、、、、。」
「ばーさん死んじゃったんだ」
「ワシもこのまま病院に入院さ。」
「ワシも癌なんだそうだ」
「そう長くない。」
「もうオマエを飼えなくなっちまった。」
「ごめんよ。ここで生きてくれ。」
「じゃあな」
おじいちゃんどこ行くの?
置いていかないで!
やだよ、ここ。
おうち帰るよ。
◇
『なんだおめ〜?どっから来た?』
『親分〜!へんなのがいやすぜ?』
『・・・?、だれだテメー?どっからきた?』
うわ、おっかない!こわそーなやつ!
こ、こ、こんにちは。
お腹すいて・・・。
ここに食べ物あったから・・・。
『ボウズ、ここはオレの縄張りだ、出てけ』
ごめんなさい。知らなくて。
はあ、あんな奴が居るんだ、この河原。
ガラスのやつもすぐいじめに来るし
とても嫌なところ。早く帰りたい。
おばあちゃんに会いたいなぁ〜。
おじいちゃん迎えに来ないかなぁ?
それにしてもおなかすいた〜。⤵︎
あ、雨だ。
◇
罠にかかる
「居たっ!入ってる!主任入ってます!」
「捕獲かごに1匹!」
ヴーワンワンワンワンワン!!!
「どれどれ?あれま?ブヨブヨだな?」
「チャウチャウ?いやシバだ!」
「もともと太ってたんだオマエ。この数日何も食わずにうろうろしてたのか?」
「だけど毛並みは良いな!短足だけど。笑」
「迷子か?」「捨てられたか?」
「野犬ではなさそうだな」
「よし、車積んで!」
なんだなんだ???
なんだよ!出せよ!
どこ連れてくの?
いやだよ!
おじいちゃん
迎えに来るから
待ってなきゃ!!
いやだよ!!!
◇
「ほら晩ごはん、食べな」
「赤柴か。ほんと毛ヅヤいいなオマエ」
「どこも怪我してないみたいだし、病気も無さそう。まだ彷徨って数日かな?」
「どうした?食べなよ。何にもしないよ」
「大丈夫、心配するな見つけてやる」
「オマエの飼い主」
ここはどこ?
この人だれ?
黒長靴のおにーさん。
ごはんくれたから、優しい人。
!?
ビックリした!誰か居る。
『若いの。どっから来た?捨てられたか。』
だれ?だれだれ?
『ワシか?』
『ワシはここに来てもう10日になる』
『どうやら主人に捨てられたようじゃ。』
『明日にはまたどっかに連れていかれるらしい。』
大きな耳の垂れてるおじいさん犬。
とてもしょんぼりしている。
かわいそう。
なんでここにいるの?
『ココは、捨てられたり迷子になった動物たちを保護する場所らしい。』
『処分するか、新しい飼い主を探してくれる。』
ボク、おじいちゃんに逢える?
『まず無理じゃと黒長靴の人間が言っておった。』
『もう元の飼い主には会えないそうじゃ。里親にも出会えん。明日どこかに連れて行かれるそうじゃ。』
どうなるのかな?ボク。
『飼い主が探してくれれば良いがの。』
『棄てられたらもう元には戻れん』
いやだよ、おばあちゃんに逢いたいよ!
『明日から色んな人間がオマエを見にくる』
『オマエを気に入ってくれたら連れて帰ってくれる。』
『そいつが新しいオマエの飼い主さ。』
◇
「そーなんですよ。赤柴!」
「成犬です。5〜6歳。」
「病気?ありません、捕獲当日に獣医に見せました。」
「毛ヅヤもよくて、どうやら捨てられ犬みたいなんですよ。」
「会長さん、一度見てもらえませんかね?」
「ええ、ちょっと乱暴者なので訓練が必要なんですよ!「はい、わかってます。その時は、、、。」
「あきらめます。」
「明日?わかりました、ありがとうございます。」
「お待ちしてます。」
(ガチャ)
「ふー、オマエ助かるかも知れんぞ?」
「保護犬協会の会長さんがオマエを見に来るって。」
「よかったな、チャカ男」
「チャンといい子にしてな!」
「噛んじゃダメだからな!」
つづく
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