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「この果てなき連鎖に終止符を」2022年6月21日の日記

・通勤経路にある大きい本屋に、いつも週1で寄っている。大抵土日に行くけれど、たまに早く帰れた時には帰りにも寄っていく。

・本屋の入り口付近にある大きな本棚群は、この本屋にとっていわゆる一軍の本棚で、話題作だったり、今本屋が積極的に売りたい作品が並んでいる。
・ビジネス街にあるので、世間一般の話題作以外には、およそビジネス関連の本や自己啓発系の本が並ぶことが多い。この本棚を一周すれば、大体世の中の本好きの間や、ビジネスの世界で流行っていること、注目されていることがわかる。

・それはいいのだけど、


・本のタイトルの付け方には明確に流行りがある。少し前は「〇〇2.0」という、いわゆるニーテンゼロ本というものが流行っていた。

・この頃の流行は「シン・〇〇」というシリーズと「教養のための〇〇」、あるいは「〇〇の教養」という教養シリーズが異常に多い。流行りすぎてる。

・流行りのタイトルをつけるのは、どんな内容だったとしても、ある一定の完成度に印象を引き上げる効果がある。

・あの、しょうもない余興の場で使われがちな、ゴム性の馬の顔の被り物と一緒で、強制的に一定の点数に「おもしろ」を引き上げる効果がある。
・平均のユーモアポイントが50だとすると、普段ユーモアポイントが10の人も、馬の被り物を被れば強制的に35くらいの面白さにはなれる。ただユーモアポイント80くらいの人が被ると、その人もやはり強制的にユーモアポイント35に引き下げられることを忘れてはいけない。

・わたしなどは、流行りのタイトルがつけられた本を見ると、編集者の売りたい意図が見え透いてくるようで全然買う気がなくなってしまう。フォーマットに頼るな。我を出していけ。


・で、今日も本屋に寄ってみた。一軍の棚に目を通す。



・いいかげんにしてほしい。


・「シン・〇〇」と「〇〇の教養」がずっと流行っていると思ったら、ついに「シン教養」が出てきた。

・もう終わりだよ。


・いや、終わらせないといけない。

・この本の編集者はそう思ったに違いない。そうでないと、こんなすごい、特盛の流行丼が作れるはずがない。

・「俺が『シン』と『教養』を混ぜるという禁忌を破って、この果てなきタイトル流行に止めを刺す。」

・編集者の人はそう思ったに違いない。そう思っててくれ。


・だが実際、この日記を書いているいま現在、流石に「シン〇〇」の流行は無くなったが、相変わらず「教養」シリーズは本棚の一軍にのさばっている。

・世界は「アメリカの学生が実践しているキーエンス流シン・コンサル教養3.0」の登場を望んでいるのかもしれない。

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