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「世界のやみを、消せるかな」2021年7月31日の日記

・昨日のラフマニノフの伝記を大変に苦労しながら読んだ。
・昨日の日記に書いたけれど、あの本はただ文章を読んで、でてきた単語を文脈の中に当てはめて、結びつけて話を理解するという通常の読み方に加えて、その単語が同じモノを指しているのに、表記ゆれによって次々と単語の名前が変わるので、そのたびに話を整理したり、翻訳本独特の日本語の文章の難解さがあって、とにかく体力と集中力を消費する。
・障害物のあるフルマラソンをしている気分だ。フルマラソンしたことないけど。


・ちゃんとした文章を書く上でわたしが意識しているのは、「すべる文章」を書くこと。「すべる」とは、面白いことを言ってウケないという意味のすべるではなくて、抵抗や摩擦が少なく、目に入ったままに理解ができる文章のこと。目から入った文字情報に対して、なんの引っかかりも無く文脈や単語を理解できること。
・人物名の表記ゆれなんかは最たる例のひとつだけど、時系列が意識せずにめちゃくちゃになってないかとか、主語述語の関係が、文章中で揺らいでいないかとか。特に説明口調の長い一文を書くとこの問題に陥りやすくなる。ある部分では漢字に変換されているけれど、あるぶぶんでは漢字に変換されていないとか、表現の統一も大事なポイントだと思う。


・この伝記はそういう意味でものすごく摩擦係数が大きい。伝記という事実を書く物だから、フィクションの小説のように登場人物の登場回数を調整することができないから仕方ないけれど、とにかく名前の似たたくさんの人物が登場する。
・ラフマニノフの音楽に興味があって難解な文章でお盆休みの時間を浪費したい方にはこの本おすすめします。


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・「消しごむで 世界のやみを 消せるかな」


・9歳でこの達観。
・9歳なんて、ようやくおジャ魔女どれみやベイブレードの類いを卒業して、青い鳥文庫で「若おかみは小学生!」の面白さに目覚める頃だと思うのだけど、そんな少年少女に「世界のやみ」を感じさせてしまうわたしたちの作った世の中よ。


・9歳児が送ってくるお~いお茶川柳には「行きたいな おっこちゃんと 春の屋に」と書いてもらえるような世の中にしていかねばいけない。


・少し前にふと思い立って、「若おかみは小学生!」の舞台、春の屋のモデルになった旅館はどこなんだろうと思って調べたら、京都の「美山荘」という旅館であることが分かった。2018年の「若おかみは小学生!」の映画化に当たっては、美山荘のご主人からの正式な応援コメントも出ていた。


・いくつか旅行サイトを介して美山荘を観てみると、ほんとうに映画のままだった。
・これはぜひとも行ってみたいと思って宿泊プランを検索したら、1泊4万円を越えていたので(大人1人の値段)笑ってしまった。
・これは「世界のやみ」がもっと消されて、「Go To トラベル」が再開でもしないかぎり無理だなと悟った。

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