黒柴的パンセ #16

黒柴が経験した中小ソフトハウスでの出来事 #6

ここでは、中小ソフトハウスで勤務していく中で、起こったこと、その時何を考え、また今は何を考えているかを述べていく

「それ、苦手なんだよねぇ」
これは、自社の経営層の役員Cと話したときに、出てきた言葉である

パンセ#15で、自社の経営層がビジョンを示さずに会社経営を行っている問題点について書いた
このビジョンとは、「一定の期間を経過したあとに、この会社がどうなってるのか、またはどうなっていたいかという未来の姿」である
ビジョンを示すことは重要だ
しかし、きちんとした形で発信しないまでも、常日頃から「自分は、このような会社にしたい」、「今、こういうビジネスを考えている」、「こういう分野の進出したい」などを社内に向けて発信し、それを社員に浸透させていくことが必要だと黒柴は思っている

黒柴が発信の重要性について考えたのは、あるエンドユーザ企業に保守作業を行うために、常駐していたことがきっかけである
その企業は、社員数100名程度の中規模企業だったこともあり、毎週月曜日の朝に全社朝礼が開催されていた
その朝礼の中で、各セクションのマネージャが持ち回りで、担当セクションの現状や今後の取り組み、それ以外にもマネージャ自身が日ごろの活動の中で気が付いたことなどを語っていた
また、毎月月初の月曜日は社長がスピーチをすることになっており、社長も現状や今後の取り組みについて、熱く語っていた

この企業の活動を見ているため、黒柴は自社のビジョンが示されていないことや、経営層がやっていること、やりたいことが全く社員に見えていないので、やっていることを伝えたり、やりたいことを浸透させる必要があると考え、役員Cにそれを話してみた

その結果が、上記の発言だ
人それぞれ、苦手なことはあるので、それは致し方ないと思う
ただ、ここで気になるのは、「苦手だ」≒「だから、やらない(やらなくてよい)」と考えることだ
正直なところ、自社の規模が小さい(上記のエンドユーザ企業と同等の100銘程度)ため、経営層のやっていることは、社員からは丸見えである
いわゆる「役員」≒「雲の上の人」ではない
そのため、「苦手だ」≒「だから、やらない」と明確に言葉にしなくても、その考え・行動は社員に透けて見えているのだ

パンセ#12で、経営層は若手社員がボトムアップでイノベーションを起こすことを期待していると書いた
また、全社会議では「社員が一人一人が成長を実現しよう」とスローガンを提示していた
しかし、経営層が持つ「苦手だ」≒「だから、やらない」という考えが透けて見えているので、若手社員も苦手なことはやろうとしない
だから、イノベーションなど起きるわけもないのだ

諸兄らの会社の経営層も、「苦手だ」≒「だから、やらない(やらなくてよい)」という雰囲気を社員に見せていないだろうか?

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