黒柴的パンセ #29

黒柴が経験した中小ソフトハウスでの出来事 #19

ここでは、中小ソフトハウスで勤務していく中で、起こったこと、その時何を考え、また今は何を考えているかを述べていく

「何を話したらよいのか判らない、と営業担当は言いますよ」
これは自分のボスが、自社の営業部門のマネージャと会話した中で、営業部門のマネージャからのコメントの又聞きである

企業にとって「営業」とは、一般的にどのような職種なのだろうか?
「営業職」というものを検索してみると、おおよそ以下のような定義になると考える

「営業とは、自社の提供する材(商材)を、顧客(含む見込み顧客)に説明して購入を促し、契約を取り付ける職種である」

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ボスとの1on1ミーティングの際に、「営業とは上記のような定義だと思うが、なぜこのような活動ができないのか?」と話したところ、ボスも前々から営業のアクションに不満を覚えていたようで、営業部門のマネージャと会話していたとのことだった
しかし、その結果が表題だったのだ

振り返って見れば、自社の営業部門とシステム開発部門は隔絶していた
黒柴から見れば、営業部門を統括する役員は、もともと開発をやっていた人が転身したこともあって、なんとなく「ソフトウェア開発」ということが分かった気になっているだけだったと思う
しかも、開発から営業部門に転身したのは、かれこれ30年くらい前だったこともあり、「ソフトウェア開発」に関する知識・認識がアップデートできていなかった
そのため、「ソフトウェア開発」について、古臭い、上っ面だけの話ししかできなかった

以前から、そういう営業部門の認識が気になっていた黒柴は、グループのマネージャを務めていたころ、自グループのメンバーがどんなことをやっているのかを営業部門に伝えるため、全役員、営業部門メンバー、システム部の全グループマネージャを参加させての、プロジェクト報告会を開催した
プロジェクト報告会の内容としては、各メンバーが常駐先でどのようなプロジェクトに参画しているか、そのプロジェクト内でどのような立ち位置で作業をしているか、またプロジェクトでどのような技術が使われているかなどだった

結果としては、惨憺たる反応だった
営業部門を統括する役員(2名)は、両名とも退屈そうだったし、パンセ内で何度か取り上げている人事担当の役員からは、「営業収支に関する内容が含まれていない報告会など意味がない」と、頭っから否定された
もっとも黒柴から見れば、「最初から報告会の目的が違うのだから、何言ってんだ?」という感じだったが・・・

営業部門を統括する役員自身が「システム開発をしている現場から、情報を吸い上げる必要性を感じない」という態度をとるものだから、営業部門のメンバーも現場のことには意識を向けない
そんな状態が継続しているので、営業部門のマネージャ、担当者は「自社の提供する材」について理解していない
結果として、「営業とは」で定義した「自社の提供する材を紹介して」ということができないのだ

結局のところ、黒柴は、営業部門は何か勘違いをしていると思っている
表題にも書いたように、社外の人と話すときに「話すネタがない」、「何を話していいかよくわからない」と言っているが、自社は中小ソフトハウスである
だから、自社が提供する商材について、きちんと説明できれば、とりあえず問題がないはずだ
この件は、次回に黒柴が体験したことをベースにさらに深掘りする

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