"大人"っぽい

お久しぶりで御座います。
かなり長い時間遠ざかってしまいました。
そのせいで、この場ではどのような決まり文句で書いていたかも記憶の彼方で御座います。

今回は、最近自分が大人になったのだなと実感したお話を。
私は元々、精神年齢が実年齢より上回っていた。
その歳その歳の同年代の人よりも、年上の人と親しくなることの方が容易だった。というより、無理にそう在ろうとしていた。
今思うと、かなりスカした子供だったと思う。
「中二病」という言葉はよく耳にするが、私は「小三〜中三病」であったと思う。
かなり長い。
授業と授業の間の休み時間は、文庫本を開く事が粋だと思っていたし、授業中も物憂げに窓の外を見つめるのが格好良いと思っていた。
その症状がかなり悪化した時には、ふと歯が抜けている事が格好良さのトップだと思い、手が空けば右前歯を揺らす日々が続いていた時期もある。
あの時は、どうかしていたと思う。
冷静になって思い返してみると、これはもはや精神年齢が高いとかではない気がする。

そんな私が、本当の意味で精神年齢が高くなってきたのかなと感じる事があった。
それは、「紅葉を見て感動出来た」という事である。
これまで、季節の移ろいなど全くもって興味が無かったし、葉っぱの色が変わってそれがどうしたと思っていた。
しかし、先日紅葉を見に行った際に「綺麗だ」という感情を覚えた。
ここは、「綺麗だ」と思っておいた方が大人だし格好良いだろうと思ってそう思ったのでは無い。
素直に思った。たかが葉っぱで。
たかが、葉っぱが橙色だの黄色だのになっているだけで。
かつて、「小三〜中三病」だった自分に言いたい。
今無理せんでも何か大人になれるっぽいぞ、と。
だから、今はもっと鼻水垂らして休み時間には半ズボンで外を駆け回りなさい、と。
でも、今の自分がこんな人間でまさか芸人を目指す事になったのは、紛れもなくスカしてひねくれた幼少期の自分が居たからであって、それは結果的に良かったのか悪かったのかはまだ分からない。
もしかしたら、四十歳位になって紅葉を見に行ったら、その答えは出るのかもしれない。

ご静読有難うございました。それでは。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?