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ガソリンスタンド跡地のその後

 最近、街からガソリンスタンド(以下「GS」といいますね)が減ってきていると思うのです。

 水素カーの普及、若者の車離れ、高齢者の免許返納、等モロモロの理由はあるのでしょうが、今回その『跡地』が気になりました。

 GSといえば国道や主要幹線街路等のロードサイトにあり、敷地がそこそこまとまっていて、間口も広い、角地なども多いので土地としては魅力的。

 でもですね、実はそこに、永年染みついた土壌汚染があり「よしっ!この場所で商売を始めよう。」とか「宅地化して分譲しよう。」としたら、役所からストップがかかり、よくよく聞くと、掘削除去にうん千万円かかるとか、土壌改良に2年~3年かかるとか、まさに「寝耳に水」の大損失を被る恐れがあるのです。

 特に懸念しているのはその土地を担保にして融資した金融機関さんの場合なんです。ちょっと例示してみましょう。

・建物等を取り壊してしまえば、元GSだったなんて人々の記憶から薄れていく。

・金融機関は3年位で転勤することが多いのでGS跡地だなんて知らないこともある。

・登記簿謄本を確認して以前の所有者が「コス〇石油」や「出△興産」等であれば、おやっと気づくかもしれないがそうでなければスルーしてしまう。

・担保提供土地の調査は時間も手間もかけられないのが現実でしょう。
 
 そのような土地に対して「規模の纏まったいい土地だな」なんて思い、路線価と通常の掛け目で担保評価し、融資を実行してしまうと大変な損失を被る場合があるのです。

・貸付先の事業着手が役所から止められ、計画が頓挫、返済が滞る、
・貸付先が破綻し、競売にかけられて初めて損失に気づく、

 融資した額より競売の売却価格が下回ることとなるでしょう、掛け目もほとんど意味が無くなるかもしれません。

 GSを廃業する場合は幾つかの要因があると思いますが、総じて経営がうまくいかなくなったケースが多いです。

 そのオーナーさんが「立つ鳥跡を濁さず」タイプの方で土地を元通りにしていくならいいのですが「無い袖はふれない」タイプの方ですと何もせずに、ハイさようなら。

 そうなると今後このような問題ありの土地はますます増えていく。

 空き家問題に老朽インフラ、更にGS跡地、、、問題は山積みだ。

 

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