【現アパレル従業員によるシューズ豆知識】vol.23 「中底」

以前インソールというとモノづくり側は、中敷き以外の意味ともとれる、と書きましたが、このことです。中敷きを外すと見えます。

これはアッパー(甲の部分)とソールを貼り合わせる繋ぎのもの、ではありますが、それだけではないちょっとした工夫もあります。

まず、ラスト(靴型)に沿ってアッパーを引っ張りながら中底に巻き込むつり込みタイプ(vol.11参照)。中底は硬い素材が多く、シャンクや突き上げ軽減としての役割にもなります。前後で硬度差をつけたり、溝を入れたりして、屈曲の補助もしていたり。
きっちりとラストの形が出やすく、足裏も安定した組み立てです。あとはいろいろな組み合わせに調整しやすい。

他には中底の端が縫い合わされている、袋タイプ。これはラストの設計を見越してアッパーを先にまとめてしまい、後からラストをはめ込む感じ。こちらの方は不織布を使って屈曲しやすく、軽量にすることができます。薄いEVAでクッション性を補助しているものも見られます。

中には、前はつり込み、後ろは袋というコンビネーションにしているものも。

そして、まさかこの中底を使わないというアンダーアーマーのスピードフォーム。アッパーがもうかかとや足裏まで一緒に3Dででき上がっちゃってる。中底だとどうしても角が出てしまうところを、滑らかな丸みの形状のまま足に沿う、もちろんパーツも最小限で軽量というものです。

見渡せばシューズ発祥のブランドばかりの中、アパレル発祥のアンダーアーマーが、そのアパレル技術を応用した独自のつくりです。

次回、「アッパーその1」

※かなりはしょりながらなので、厳密には正確でなくてもご了承くださいませ。。。