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遅すぎる「怪盗クイーン」ブーム、木梨憲武の歌、そして梅雨入り(日記 6月1-12日)

 ずいぶん久しぶりの更新になってしまった。確認してみると四月のなかばから更新が途絶えていたみたいだ。まあ一言でいえば要するにサボっていただけなのだけれど。
 とはいえ、まったく何も書いていないわけではなく、ちょっとしたメモ程度のものは残してはいて、しかしながらそんなものは誰にも見せられないめちゃくちゃな殴り書きだからアップロードするためにはどうにかして体裁を整えなければならず、それがとにかくめんどくさいのである。
 というわけで、四月の後半と五月はとりあえず棚に上げて、六月ぶんを先に出すことにする。五月のはいずれ気が向いたらやります(などという文句は大抵やらない人が言うものだけれど、私は文字通りの意味で使っている。気が向いたら書くし、書かなかった場合は気が向かなかったのだと思っていい)。

二〇二〇年六月一日(月)

 はやみねかおる『怪盗クイーンはサーカスがお好き』〔講談社青い鳥文庫、2002年〕読了。思ったよりも楽しく読めました。クイーン変装のトリックはずいぶん強引だしアンフェアぎりぎりだったけれども。

 それにしても、この本の「あとがき」は凄い。試しにちょっと引用してみると——

 怪盗——いいですね。どんなに厳重な警備もものともせず、華麗に犯行をなしとげる怪盗。名探偵とは、またちがった魅力を持っています。
 そんな怪盗といえば、すぐに思い出すのが、怪盗ルパンとルパン三世。ほかにも、怪盗ルビィ・マーチンスン、怪盗聖者〔セイント〕、怪盗ニック・ヴェルヴェット、怪盗ジバコ。あとは、二十面相にオヨヨ大統領(あっと、このふたりは怪人だ)。S79号は怪盗ではなく妖盗。
 怪盗ルーズルーズ、怪盗紳士、怪盗キッド、怪盗シュガー、怪盗アマリリス……、わすれちゃいけない、怪盗道化師〔ピエロ〕。いっぱいいっぱい、いるもんですね。(怪盗鶴の007号って、知ってます?)

 ね、凄いでしょう。古今東西の怪盗をこれでもかとぶち込んで紹介している。子供向けだからといって手を抜くことがない、その姿勢に私は感銘を受けました——などと偉そうに書いている私だってこの三分の一も知らなかったのだ。アルセーヌ・ルパンとルパン三世、怪盗ニック、二十面相、怪盗キッドで限界。『怪盗道化師〔ピエロ〕』がはやみねかおるのデビュー作だ、というのは知ってはいるが未読。あとはさっぱり知りませんでした。不勉強!
 ちなみに、怪盗ニック・ヴェルヴェットというのは面白くて、依頼人から高額の報酬(2万ドル以上!)をもらって盗みを働く職業的怪盗なのだが、彼が盗むのは「価値のないもの、もしくは誰も盗もうとは思わないもの」だけに限られるのだ。それはたとえばプールの水であり、あるいはおもちゃのネズミ、はたまた弱小野球チームだったり、囚人のカレンダーだったりする。〈いったいどうやって盗むのか〉も気になるし、〈なぜそれを盗まなければならないのか〉もわからない。ひとつの短篇(日本語訳でわずか20ページほど)のなかに二重の謎が仕掛けられているわけで、なんとも贅沢なつくりになっている。
 エドワード・D・ホックによるこのシリーズは現在、『怪盗ニック全仕事』〔全6巻、木村二郎訳、創元推理文庫、2014‐2019年〕にまとめられており、全作品が日本語訳で読めるのでおすすめです。「全集」「集成」「全作品」などの単語に弱い私は、第1巻を書店で見かけたその瞬間すぐさま手に取りました。が、まだ積んである……なんということだ!

 しかしですね、大事なことはすぐ読める状態で手許に置いておくことなのである。読もうと思い立ってから書店に走っても(あるいはAmazonを開いても)手遅れになっていることが往々にしてある。逃してから悔しがったって遅い。
 それに、「全仕事」と名乗っているからといって最終巻まで無事に出版されるとは限らないのだ。第1巻の売れ行きが悪ければ続巻が打ち切られていたかもしれない(そういうことは意外とよくある)。つまり、『怪盗ニック全仕事』が完結したのは、あの場で第1巻を衝動買いした私のおかげでもあるわけだ——というのは言いすぎだけれども、まあ間違いではなかろう。
 長くなったので今日はここまで。

六月二日(火)

 日中、特筆すべきことなし。
 ほとんど書店に行っていないここ二箇月のあいだにも本は出版されつづけている——というわけで、欲しい新刊書をリストアップしてみる。hontoで検索し、目ぼしいものをメモに書いていったら優に30冊を超えてしまった。ひとつにはこの3月に早川書房で新レーベル「ハヤカワ・ジュニア・ミステリ(HJM)」が創刊され、アガサ・クリスティーの長篇10作が毎月2冊ずつ、五箇月連続で刊行されるという事情がある。子供向け版のクリスティー長篇(それも全訳版)なんて、私が子供の頃に夢見た本そのものだ。これを買わないわけにはゆかない。

 夜、いつものごとくラジオ。このせいで毎週火曜は深夜2時ごろまで起きていることになる。そのせいで起床がつらい。

六月三日(水)

 日中どころか一日中特筆すべきことなし。

六月四日(木)

 日中、特筆すべきことなし。
 久しぶりに散歩に出る。
 水瀬いのりのライブ「animelo mix presents Inori Minase LIVE TOUR 2020 We Are Now」神奈川公演〔横浜アリーナ、7月25日(土)〕の中止が決定した。愛知、福岡、兵庫、宮城の4公演はすでに中止が決まっていたのだが、最終日の横アリだけはギリギリまで検討していたのだ(パッケージ化のための映像収録が予定されていたからだろう——というのは私の想像である)。まあ仕方がないとはいえ、残念なことである。この間ポチったTシャツやペンライトは幻のライブグッズになってしまった。
 ライブグッズといえば、キンクリ堂では物販の2次受付が始まった。今回は受注生産になるとか。よかった。この間のような物販戦争はごめんである。

〔ここで註みたいにして書くと、「この間のような物販戦争」というのはまだアップロードしていない五月の日記に書くはずのことである。あれは大変な戦争であった。〕

六月五日(金)

 厭な夢を見た。それもふたつ続けて。
 ひとつめは粘土にキスされる夢。妙に感触がリアルだったのでこりゃ夢じゃないぞと思い無理やり目を開けてみると粘土ではなくて本物の人間(佐清みたいなマスクを被っている)であった。襲われる——と思ったところで目が覚める。二重構造の夢であった。
 ふたつめは歯が抜ける夢。何本も抜けて口のなかにゴロゴロ溜まる。吐き出したいのになぜか出せず、「んー! んー!」と唸りながら右往左往するばかりでどうしようもない。不愉快な夢だった。
 昨日の散歩のせいだろう、背中が筋肉痛である。散歩といってもほんの十数分のことで、それだけでこんなことになるなんて体力の衰えどころの騒ぎではない。ほとんど家にいるばかりだから仕方がないとはいえ、衰えすぎである。体力どころか生命力が足りない。
 というわけでやや長めの散歩に出る。帰りがけ、書店に寄り本を数冊購入。
 本日買った本は以下のとおり。

 はやみねかおる『オリエント急行とパンドラの匣〔ケース〕』〔講談社青い鳥文庫、2005年〕
 ——『怪盗クイーン公式ファンブック 一週間でわかる怪盗の美学』〔講談社、2013年〕
 ——『怪盗クイーンからの予告状 怪盗クイーンエピソード0』〔講談社、2020年〕

 「怪盗クイーン」シリーズのブームがいまさら来ているらしい。

六月六日(土)

 最近、土日のラジオが聴けていない。いちおう書いておくと、土日のラジオというのは、

「土曜朝6時 木梨の会。」〔TBSラジオ、毎週土曜 6:00-7:00〕
「福のラジオ」〔TOKYO FM、毎週土曜 14:00-15:00〕
「水瀬いのり MELODY FLAG」〔文化放送、毎週日曜 22:00-22:30〕
「福山雅治と荘口彰久の 地底人ラジオ」〔渋谷のラジオ・AbemaTVほか、毎週日曜 22:00-23:30〕

の4つ。このうち「メロフラ」〔もちろん「水瀬いのり MELODY FLAG」の略〕と「地底人ラジオ」は放送時間が重なっているが、「メロフラ」はradikoのタイムフリーで聴いております。ちなみに「木梨の会。」も、そんな朝早くに起きられないのでタイムフリーです。ありがたやradikoタイムフリー。
 こんなに便利なradikoなのに、どういうわけか一週間の聴取期限を切らしてしまうのである。なぜだ。思うにたぶん生活習慣が変わったせいだ。「ラジオは習慣」というのは福山雅治がよく言っていたフレーズだけれども、まったくその通りだなあと頷く今日この頃。
 ——というわけで「木梨の会。」先週ぶんと今週ぶんをまとめて聴取。のりみょん(58歳)による、あいみょん「裸の心」カバーが楽しい。原曲がApple Musicで配信されていたので試しに聴いてみると、のりみょんバージョンとは譜割りや節回しが結構違う。なんというか、あいみょんのほうがオシャレで新しい。正直なところこの「裸の心」、曲調はよくある古いバラードなのだが、それもあいみょん独特のオシャレ譜割りでにかかればオシャレになるのだ。だから木梨憲武が歌えばそのまんまよくある古いバラードになり——そして木梨憲武はこういうよくある古いバラードを歌わせるとめちゃめちゃ上手いのである。
 私は木梨バージョン、結構好きです。ファンの贔屓目もあるだろうが、そもそも古い曲のほうが肌に合うのだ。悪かったね古い人間で。

六月七日(日)

 六月に入ってもう一週間が経つのか。信じられない。
 日曜日だからだろうか、なんだか気が抜けてしまった。
 録画のテレビ番組などをまとめて消化したり、娯楽のための本を読んだり。まあ特筆すべきことはない。ありません。

六月八日(月)

 『劇場版名探偵コナン 緋色の弾丸』の公開が来年4月に延期されることになった。残念だが仕方あるまい。
 今日は日がな一日いい天気で気持ちよかった。時々外に出て、ベンチで本に目を通すなどする。もちろん人のいない場所を選んでいるので念のため。
 おかげでいろいろ捗った。これくらいの天気がちょうどいい(ちょっと暑かったかもしれない)。

六月九日(火)

 特筆すべきことなし。まあいつも通りつつがなく終える。
 夜、ラジオを二時間半ぶっ続けで聴く。

六月十日(水)

 金曜日が締切の案件があったので取りかかる。午前のうちに片がつくだろうと見当をつけていたのだが、ずるずる昼を越し、そのまま夕方までかかり、なんだかんだで一日仕事になってしまった。別に大したことではないのだが、苦労した。
 夜、WOWOWで「氣志團万博2019 ~房総ロックンロール最高びんびん物語~」後編を録画しつつちょっとだけ視聴。当然ながらもちろん木梨憲武目当てである。ミュージカル観劇の予定と重なってしまって泣く泣く諦めたステージが観られる(それも録画できる)のは嬉しい。3月に加入してなんとなくそのまま支払いを続けていたWOWOW、まあこれで元をとったようなもんだ。よかったよかった。

六月十一日(木)

 梅雨入りしたらしい。
 低気圧のせいで頭が重くて仕方がない。午後はもう使い物にならなかった。
 こういうときは諦めるに限るので、横になっていつぞやの金曜ロードショー『劇場版名探偵コナン 純黒の悪夢』を眺める。たぶん劇場で観たきりで、今回が2度目の鑑賞だったので新鮮な気持ちで楽しめた(松田くんがカットされていたのはショックだったけれど)。この作はミステリーを完全に放棄しているから初見の印象はあまりよくなかったのだが、いま観てみると存外面白い。ちょいちょいツッコミどころはあるものの、コナンと公安(警察庁警備局警備企画課「ゼロ」および警視庁公安部)、警視庁刑事部捜査一課、それにFBIのそれぞれがどこまで知っていて何を考え、そしてどう動くのかがちゃんと描かれていたのがよかった。特に捜査一課強行犯三係の面々(目暮警部以下、佐藤、高木、千葉)はたぶんほとんど状況が読めていないはずなのに、それでもできる限りのことをしていて好感が持てる。目暮警部の株がまた上がった。(ちなみに、はじめに警部の株が上がったのは「杯戸デパート厚底ブーツ鈴木園子碁石バット事件」のときである。)
 で、そうなるとあれなんですよ。
 例の観覧車シーンがますます引っかかるんですよ。いくら諸伏(弟)の恨みがあるとはいえ、あの状況ではそんなことしてる場合じゃないでしょう安室よ。赤井さんは冷静に「狩るべき相手を見誤るな」とかなんとか言ってたけれど、安室のほうはもう見境なくなっちゃってるじゃない。世間はトリプルフェイスだなんだと奴を持て囃すけれど、そこまでの人間ではない——と私は思う。
 まあいい。このあたりでやめておこう。

六月十二日(金)

 梅雨に入った途端、蒸すようになった。触れるものすべてがベタベタで気持ちが悪い。
 ちょっとした作業のために午前をまるまる潰す。おかげでiPadとプリンターをWi-Fiで繫いで遠隔操作ができるようになりました。コピーもスキャンもプリントアウトもお手のもの。とても便利——だが、使いこなすに至るまでが長かった。そんな時間をかけるようなことじゃないのに。
 ついにエアコンを入れる。除湿モードのありがたみが身に沁みる。
 夜、あれこれやっているうちに時間が過ぎる。もう金曜だ。時間が経つのが早い。やることはなんか微妙にたくさんある。徐々に追い詰められている。
 来週はまじでやばいのだ。ぐぬぬ。

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