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四千頭身

四千頭身はグランジのトリオバランスと似ています。ただ中心にいる後藤さんの進行的な気質を両サイド2人で歩幅を合わせて成立させているのでわちゃわちゃ感よりもある程度のまとまりがありそこを土台にパッケージングしている形だと思います。


両サイドの都築さんと石橋さんは2人とも別タイプではありますが、どちらも後藤さんの進行ベースに乗っかった上でコメントを挟んだり自己主張をしていくのが得意だと思います。そういった意味ではテンポ的な相性はむしろ都築さんと石橋さんが近くて後藤さんが分離しているというか確固たるペースがあってそこからほとんどブレません。

最近漫才でツッコミのポジションを取る事もある都築さんはどちらかと言うと回すタイプで常に喋っていた方がやりやすいのだと感じます。一言一言を連打していくように放って繋げるやり方で空気を掴んでいきます。


石橋さんは逆に短めの台詞で的確に印象を残していくコメントをまとめるタイプです。一番外側に配置されていてスカシ的な要因を任されてもいますが、これはシティボーイズで言えばきたろうさんのような気質です。

四千頭身の独創的なポイントのひとつとしてこの都築さんと石橋さんの役割と配置の仕方がトリオのフォーメーションとしては珍しいという所が上げられるのではないでしょうか。この2人の立ち位置を逆にするだけでグランジっぽくなると思います。


そしてその少し珍しいフォーメーションを取った上で後藤さんのゆったりとしたボソボソ喋りに2人が着いていくようにボケたりツッコんだりしていきます。これによってスピード感が無いようでテンポは小刻み良いという、おぎやはぎと南海キャンディーズを足して2で割ったようなグルーヴ感のある漫才が仕上がっています。さらにネタの内容も既存の漫才のフォーマットをフリにするかのようなコントっぽい設定を編み出していたりするのでそこもまた面白いところだと思います。

後藤さんはこのテンションが如何にブレないかがトリオ芸としてけっこう要だと思うのですが、それは同時にストレートな中央集権型とはちょっと違う成分という事の表れではあると思うので他2人がどのタイミングやパターンで配分されるのかが見所だと感じます。


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