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「スクール・オブ・ロック」が最高だった話をさせてくれ。

 ここのところ、趣味を失っていた。

 映画を見ることや、小説を読むことがしんどくなることは、よくある。

 僕の日常は、映画や小説に触れるのがしんどくなることとともにある。

 映画は、話が勝手に進んでいってくれるのがよくって、小説は、話を自分のペースで進めることができるのがいい。

 映画と小説は対照的な関係にあるから、どちらかがしんどくなると、しんどくない方で補完できる。

 同時にしんどくなることもあるが、特にやりたくもないゲームでもして時間を消費していれば、ふと、大丈夫になる。

 だから、別に大丈夫なんだ。
(小山田壮平のブログの「クリスマスありがとう」を読んでくれ)

 でも、今回はゲームすらしんどくなって、気づいたら帰宅後の時間を完全に持て余していた。

 これはまずいな、と思いながらも、楽観的にとりあえずは音楽を聴いていた。

 折坂悠太の新譜は最高です。
 あと、ファーストテイクの折坂悠太も最高です。どうか、2020年を、なかったことにしないでください。

 そんなこんなでむちゃくちゃに楽しみにしていた日を迎えた。楽しかった。映画の話をした。映画を見ようと思った。

 今の自分には、小説よりも映画が合っていることはわかっていた。ちょっと踏み出せないでいただけだ。

 僕はいつも人に助けられて生きている。ありがとう!


 「あと1センチの恋」「生きてるだけで、愛」「花束みたいな恋をした」「レディバード」「スクール・オブ・ロック」を見た。

 なんか恋愛ものばかり見ていてかわいいな俺。

 ともあれ、趣味「映画鑑賞」を奪還した。

 ここからは、僕が「シャイな女の子が初めて人前で特技を披露するシーン」がいっちばん好き、ということをふまえて読んでほしい。

 それから、バカみたいなハッピーエンドがバカみたいに好き、ということもふまえて読んでほしい。

 最後に、「耳をすませばで主人公の女の子が『やなやつ、やなやつ』と地団駄を踏むシーン」が好き、ということは、別にふまえなくていい。

 「やなやつ、やなやつ」と頭の中で唱えたかっただけである。理由もなく「テクマクマヤコン」と唱えたくなる時と同じだ。他意はない。

 どれもよかったが、「スクール・オブ・ロック」が最高だった。

 軽いネタバレを含む。




 この映画には、「シャイな女の子が初めて人前で特技を披露するシーン」がある。
(そういう映画を他に知っている人がいたら、マジで教えてください。これはマジ。)

 それだけで、評価はAである。

 売れない、汚い、ロックンロールメン・デューイが、臨時教員としてお嬢様おぼっちゃま小学校に赴任する。
 もちろん教員免許は持っていない。
 学がないので、学問の授業なんかできるわけがない。彼にはロックンロールしかない。でも、彼にはロックンロールがあった。
 クラシックしか聴かない小学生たちにバンドを組ませ、ロックンロールを教え込む。

 要するにこの映画は「女王の教室」だ。

 ちがいます。


 僕がこの映画を好きなのは、ひとクラスの数十人の子ども、誰一人ないがしろにしていないところだ。

 僕は、集団の中で、誰かを置いていくのがとてもいやだ。偽善というやつかもしれないが、いやだ。

 僕はいやだ。

 要するにこの映画は「不協和音」だ。

 これもちがいます。


 組んだバンドは一つ。そのメンバーに選ばれた子どもは、6人だけだ。必然的に、それ以外の子どもたちは、裏方に回ることに。

 それでも、裏方を含めたみんながみんな、与えられた役割で輝いているのがいい。

 そんなのって、出来過ぎかもしれないが、適材適所の人材配置をしたデューイを褒めたい。

 デューイは、確かに自身の成功のために子どもたちを利用した。しかし、間違いなく、いいリーダーだった。

 ロックンロールは、映画でもいっているように、反発から生まれるものなのだろう。

 しかし、ロックンロールは、決して暴力的な音楽ではない。誰一人置いてけぼりにしないやさしさがあってこそ、ロックンロールはロックンロールたりうるのだ。


 知らんけど。


 あと、僕が好きな、バカみたいなハッピーエンドで、この映画はクレジットを流し始める。

 ガッツリネタバレした気もするが、あのパッケージでバッドエンドなら、そんな映画クソなので見なくていい。

 ちょっと言いすぎた。ごめんクソ映画たち。

 僕はバカみたいなハッピーエンドがバカみたいに好きなんだ。バカの言うことは気にしないでいい。やさしい目かやさしくない目かで、見ていてくれ。


 音楽には、きっと、バカみたいなハッピーエンドを引き寄せる魔力がある。

 そう信じさせてくれる映画だ、というわけでは別にないと思うけど。

 ただ、バンドの演奏シーンはテンションがブチ上がるし、実際僕は「リトルミスサンシャイン」のロックンロールお父さんばりに両手を突き上げた。
 「かっけー!!」と声を上げた。

 アア、僕は家でこうやって歓声を上げながら映画を見るのが大好きだ。

 「スクール・オブ・ロック」は最高だ。

 でも、しまじろうの映画を見ていて「しまじろうたちを応援しよう!」的なキャプションが出てきたときはちょっと冷めた。

 言われなくても応援するわ!!
 今から応援しようと思ってたところ!!!
 今から勉強しようと思ってたところ!!!

 である。

 こうして、僕の中の駄々っ子が顔を出した。

 ちょうど一年前に。



 それではお聴きください。
 THE 虎舞竜で、「ロード」




「今から聴こうと思ってたところ!!!」


 ...ごめん。


「オマエ、自分がされて嫌だったこと他人(ひと)にすんのか!?」



 でも蛙の子は蛙だしぃ...
 ボクは井の中の蛙だしぃ...
 中学時代のあだ名はケロリンだしぃ...


 こうして、僕の中の駄々っ子が顔を出した。



 ...漫才の終わりぐらいもういいね。


 こういう妄想はひどいですが、今日も僕は元気です。

 ははは。




 なんだこれ。





 もしかして バカみたいなハッピーエンド




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