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最善の王手を仕掛けるために

本日は「24時間走」というウルトラマラソン種目の日本選手権を闘いに長野県の立科・女神湖に来ています。

但し、今回出場するのは私ではなく、このタイミングで王者を脅かすために私がこっそり育成してきた相澤京佑という選手です。私は「ハンドラー」という立場で彼のサポートに徹します。9ヶ月間の指導を通して、自身の競技ノウハウは相澤選手へ伝えきれたと思っています。

ちなみに、いま200km級のウルトラマラソンで国内の誰もが認めるNo.1の選手は、石川佳彦という徳島の男です。5年前、彼をこの競技に呼び込んだのは私ですが、今度はこの競技で絶対王者に成長した彼を破る男を自ら育ててコーチとして彼へ挑んでみたかった。

コロナ禍の1年、野心ある若い選手が海外レースで実績を作ることは困難な状況でしたが、幸運なことに世界一のウルトラランナーは、いま国内にいます。

その上で、石川と競える可能性が最も高いと感じられた今レースのみに標準を絞り、私たちは勝つために逆算で準備を進めてきました。この時期の大会開催には様々な困難があったことと思いますが、いよいよあと5分後にはスタートの号砲が鳴ることに感謝しています。

なお、急きょコース変更となり24時間走としては異例の起伏コースで実施されることになった今大会。

ぶじチャンピオンがベストパフォーマンスを発揮できた場合、優勝記録は最大で225.688km(累積高低差12375m)になると私たちは予測しています。

その上で、相澤京佑は最終追い込み期の9日間で合計279km(累積高低差16184km)をキロ平均5分4秒で走り切れるまでに成長しました。

こちらの勝ち気を警戒させないためスタート5分前まで明かさなかったこのデータをレース中にチャンプが知ることはないでしょうが、チャンプのコンディションをよく知る彼のハンドラーの顔色が変わることがあれば勝算はあると思ってます。

いずれにせよ、勝っても負けても何の関心も持たれず、何事もなかったかのように時が流れてゆく悔しさを私は知っているので、自分の選手には、それを味わって欲しくなくてこの文章を書きました。

だから、ここまでを読んで下さり、本当にありがとう。

24時間走はマイナー種目だけどトップ選手たちは死力を尽くして競いあいます。どうか応援してあげて下さい

ゴールは、7月18日(日)正午12:00です。

[リアルタイムでの途中経過は▼]
http://www.k-sok.com/corunners/timeline?raceId=4667

24時間走2010年世界王者/2019年日本代表 井上真悟

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