大阪で隙あらば絶対に立ち寄るたこ焼き
定期的に関西に行く用事がある。
たいがいは北新地の友達の店で飲んで寝て帰るのだが、昼間に時間があると必ず立ち寄るたこ焼き屋がある。
西中島の「たこ焼き十八番」だ。
ここのたこ焼きは、天かすが大量に入っていて、これが表面をカラっと仕上げて美味しい。
ソースとマヨネーズも美味しいが、出汁で食べるスタイルも美味しい。
先週末は大阪出張だった。
11月8日、9日に開催予定の「AIフェスティバル2024」の関連イベントとして、「24時間AIハッカソン」を今年は全国三都市を巡りながら行う。
その一発目が、大阪だった。
いつものスタッフと二日間の激烈な日程を終えて、帰りしな、
「ちょっと新大阪の隣の駅に美味いたこ焼き屋があるから寄って行かない?」
と誘って食べに行った。
たこ焼きは、バリエーションがあるお店の場合、一人で行くとせいぜい2,3種類しか食べられない。
18番には僕はずっと一人で通っていたのでいつも手が出せなかった変わり種のメニューを見て「いつかたべたいなあ」と思っていたのでちょうど良かった。
この独特の「カリッ」とした食感は、銀だこのような揚げたたこ焼きとは全然違う。
この食感と味を楽しむためにソースやポン酢があるという考え方だ。
ネギ塩もうまかったが、究極は塩たこ焼き。
あまりの美味さにみんながあっという間に食べてしまい、写真を撮り忘れた。
「まさか塩をかけただけのたこ焼きがこんなに美味いとは・・・」
スタッフからそういうため息が溢れた。
こういう時ほど僕が得意な気持ちになることはちょっとない。
相手が僕と同年代ならなおのことだ。
僕が最初にこの店に来たのは26年前。
DirectXのエヴァンジャライズ活動で全国を飛び回っていた時だ。
雇い主のaltyと、現地の飲み屋の女の子に「美味しいたこ焼き屋さんってどこ?」と聞いたら教えてくれた店だった。
あまりの美味さに感動して、30個くらい詰めてもらってそのまま東京に持ち帰ったが、持ち帰るとただのたこ焼きになっていて、まるで浦島太郎になったような気持ちだった。
この独特の食感と美味さというのは、焼きたてじゃないと味わえない。
世の中にはそういうものがいくつもある。栃尾の油揚げもそうだ。新潟に住んでいても、揚げたての油揚げを食べたことのある人は少ない。
それから大阪に来て時間を見つけては一人で通っている。
ハッカソンは疲れる。
運営する側も休みはするが、何かと24時間神経を使う。
僕はなぜかハッカソンの企画と運営という仕事にハマってしまい、それこそ以前は世界中どこででもやっていたのだが、最近またAIが急速にダウンサイズしてきてできるようになってきた。
AIにまつわるハッカソンが定期的に運営できるなんて夢のようだ。
ハッカソンにはドラマがある。
それはマラソンや駅伝にドラマがあるのと同じだ。
限られた時間で、自分の力を十二分に発揮する。そのためのチームを組み、戦略を立て、役割分担をして、全力で挑む。
もくもく会とハッカソンの違うところは、ハッカソンには明確なゴールがあることだ。
手を抜けばライバルに出し抜かれる、それ以上にチームメイトに迷惑がかかる。だから手が抜けない。自分に何ができるか、ペース配分を考えながらチームに貢献する方法を学ぶ。
ハッカソンを経験すると、ソフトウェア開発に関する貴重な経験値が得られる。普通の開発プロジェクト一本分で起きることと同じことがハッカソンの短い時間で起きる。ソフトウェアはどのように着想し、実装し、挫折し、方針を変更し、着地するのか。どうすれば素晴らしいソフトを作ることができるのか。それが全て学べる。
ハッカソンはスキルを持っている上級者でも楽しめる。例えば、その日は自分の得意分野の言語を使わないとか、新しいことを一つ学ぶとかの目標を設定する。一晩で自分に新しいスキルが身に付く。まさに精神と時の部屋だ。
今回のハッカソンも色々なドラマが展開した。それがなんとも楽しかった。
その詳細なレポートについては、ここでは書ききれないのでまた明日。