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もうみんなプログラマーになれるよ

僕の20年来の親友にnpakaというプログラマーがいるんだけど、彼はもう超凄い。何でもすごい。何でも書けるし何でも早い。本を書くのもプログラムを書くのも、新しいわけわかんない説明書がバグだらけの環境に慣れるのも早い。

んで、これまではちょっとしたことも難しいことも全部npaka(布留川君)に頼んでたんだけど、最近二人とも独立したからつまんないこと頼むのは悪いなと思って「あれはできるんだっけ」くらいのことは自分で何とかしようかなと思った。

それでChatGPTに「Swiftで⚪︎⚪︎やるにはどうすんの?」と聞いたら、Swiftについてほとんど何も勉強してないのに作りたいものが何となくすぐにできてきちゃって、でもまあやっぱりChatGPTだと知識が古いので詰まったらネットで検索すると、だいたい結局npaka(布留川君)のページが出てきてやはり信頼と実績の大先生(仲間内ではそう呼ばれている)ですな、と思ったりしたのだが、この間、結局布留川君に一度も直接質問してない。

よく考えると、大半のモバイル開発環境の本を書いてる人に「あれできるんだっけ」と「昼飯何食べた?」くらいの感覚で聞けるって凄い環境だったんだけど、ChatGPTが使える環境というのは、プログラマーの師匠が24時間手取り足取り教えてくれるようなものだから、まあたまに間違えてうまくいかなくなっても、人間の大先生のページ見ると大体は解決するので、少し前だったら絶対自力で作ろうとは思わない感じのアプリを適当に作ったらできてきてしまって驚愕している。

これ、普通の人がプログラマーになる一歩手前まで来ていて、あと一歩足りないのは、「何が作りたいか」ということを決めるだけ。それすらも大して難しくない。この「難しくない」ということが認識されるまでにも少なからず時間がかかるだろうが、実際問題として、本当に「難しくない」ので「プログラマー」が「プログラマー」として食っていくのは少し難しくなってきていて、足手纏いになるジュニアを雇うくらいなら歴戦のプロと二人かせいぜい三人くらいでやるのがいい。世の中を変えたと言われるソフトウェア製品のほとんどが、実際にそのくらいの規模のチームで作られてきたことを考えれば、社員のプログラマーをたくさん抱えるというのは時代錯誤になってきている。

最近はもはや「プログラミングできる」ということは事業を立ち上げられることとイコールに近づいてきているので、その大部分をChatGPTとかまあこれから出てくるいろんなLLMがサポートしてくれるということは、大きな後押しになる。

前にも書いたけど、今は学生起業に大きなチャンスがあると思う。
今は1995年のインターネットみたいな感じだから。しかもその頃に比べるとずっと障壁が低い。

こんなタイミングは僕が生きているうちにもう二度と来ないかもしれない。
なぜ学生がいいかというと、若くて元気があって集中力が高いということのほかに、本来はないと困るはずの「経験値」がLLMとサーバーレスである程度は補完してもらえる。

サーバーレスのサービスを作れるようになると、課金システムも自動的に作れるし、課金システムがあると勝手にスケールするようになる。

昔はインターネットのマネタイズというと広告とアフィリエイトくらいしかなかったけど、今はユーザーから直接課金する方がスマートだ。ChatGPTがあれば、誰でもメルカリやUberみたいなサービスを作れる。

こうなると重要になってくるのは実は法律に関する知識と経験で、商売の素人がアイデアだけで暴走してそれをLLMが支えてしまうと、今度は知らないうちに法律を破ってしまうケースが続出することが考えられる。また、法律を破るつもりはなかったが、初期のメルカリのように、売ってはいけないものを売る輩が現れたり、色々と運用上の心配事を何とかしなければならなくなる。そうなるとまあ多少は仲間がいたほうがいいのかもしれない。

まあでもそれも法律に関する知識を学習したLLMがやがて登場して何とかしてくれるだろう。

今の大企業がどうしてこんなに人数が必要になったかといえば、かつて全ての商売は対面が基本だったからだ。

企業と企業が結びつくとき、そこには「担当者」という人間がアサインされる。客が増えれば担当者が増える。担当者が増えればミスも増える。これは今も変わらないが、「担当者」の負担がLLMで1/100に減るか、担当者の両方がAIまたはそのほかの機械になれば、ここのコストはごっそりいらなくなる。

これまでビジネス上の失策というのは大抵は凡ミス、連絡ミス、悪意ある誘導などで行われてきたのだが、これが機械化するとそういうことがなくなる。

荒唐無稽に見えるかもしれないが、例えばAmazonは自社の在庫だけでなくそこにつながる無数の業者の在庫も仲介している。これが混乱の元になっているのは別の話だが、Amazonと業者の受発注の作業には人は介在しない。

UberEatsで配達員とレストランと顧客を結ぶのが完全に機械であるのと同じだ。ギグワーク化されてないビジネスは全てギグワーク化できる可能性があり、そこに大きなチャンスがある。

一億総プログラマー時代は、一億総起業家時代でもあるのだ。

今のAIは多分素人だけが集まっても何とかなってしまいそうな勢いがある。
AIハッカソンに挑戦してみよう