見出し画像

三角関数を使おう

なんか三角関数の便利な例はないものかとものの本を探したら、よく考えたらすごく便利な例があることを思い出した。

三角関数の一つであるタンジェントは、三角測量をする時に大活躍するのである。
今、残念ながら戦争というのが急激に他人事ではなくなってきている。

ジャンジャンやってくる戦車隊に対して、榴弾砲、つまり大砲で曲射射撃をしなければならないとする。まさに今、ウクライナ軍が日々陥っている状況だ。

敵の戦車隊の位置を見張りが見つけるとする。
見張りは、大砲部隊から少し離れた位置から敵の戦車隊を見つける。

重要なのは、敵の戦車隊が「どのくらい離れているか」だ。
大砲は狙いを正確にしなければ当てられるものも当てられない。

そのために必要な情報は、敵との正確な距離である。
この時、見張りと大砲の距離は予めわかっている。次に見張りは、大砲と敵の戦車隊との角度θシータを測る。

見張りと大砲の距離をAとして、角度θが分かれば、三角形の底辺の長さをAとした直角三関係になるため、tanθにAをかければ戦車と大砲との距離Bが得られる。

これはもしかしたらサッカーなどの球技にも応用できる。

キッカーが正面から敵の位置を捉えてキックするとどうしても誤差が出る。
キッカーに対して少し離れた位置にいる選手が、目標地点とキッカーとの角度を類推してキッカーに情報を伝えれば、キッカーはどのくらいの強さでボールを蹴り上げるのが最適か導ける。

もちろんそれをやるためには、タンジェントを暗算しなければならないが、タンジェントの関数表を暗記するくらいは誰でもできる(水平リーベ僕の船よりは簡単)だろう。

ではサインやコサインを実用的に使うことはあるだろうか。
たとえば、グラウンドに目一杯巨大な正五角形を描きたいとする。

正五角形の内側から見た内角は72度だから、分度器で測って正確に描くのは難しい。

ところが三角関数を使えば、たとえば半径を100メートルとした円に接する正五角形を想定して

こんな感じで、グラウンドの中心を原点(0,0)として五角形の各頂点の座標を割り出すことができる。

今時なら、Telloみたいなプログラミング可能なドローンを使って、五角形の頂点の位置に正確に飛ばしてみることもできるだろう。ドローンを使って校庭に巨大な五角形を描くような授業があってもいい。

もちろんこれは五角形だけでなく七角形でも八角系でも九角形でも同じようなプログラムで座標を得ることができる。

マスゲームなんかをするときに三角関数の知識があれば一発で答えに辿り着く。
マーチングバンドでも行進でも応用できる。

マスゲームへの三角関数の応用範囲はめちゃくちゃ広い。
たとえばサイン波をマスゲームで再現できれば非常にインパクトのある動きになるだろうし、リサージュ図形サイクロイドなんかも取り入れたらその動きはさぞ美しいだろう。

重要なのは身近なところで三角関数を実用的に使うシーンを想像しながら数学を教えたり学んだりすることだと思う。

三角関数の重要性は日に日に増している。

「三角関数なんて人生で使ったことがないんだ」

なんて言う大人が、本当は一番格好悪い。
それは「スマホなんて人生で使ったことがないんだ」と同じように、滑稽である。
最良の道具があり、学校で学んだのに、その使い方を知らないというのはいい歳こいた大人が偉そうに言うことではない。むしろ恥ずかしいことだ。

数学を教える先生方、まず教育の現場から変えて行きませんか。