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27歳、人生で初めてできた彼氏と別れてみて。

先月、遠距離恋愛をしていた彼氏に振られた。
交際期間は6か月ほど。
それが短いのか長いのかはわからないし、今思えば3カ月目くらいで雲行きは怪しくなっていたように思う。
短い恋だったかもしれない。
でも、その短さにしては思い出があまりにも多い。初めての彼氏ということもあって、何もかもが手探りだったし、よく言えば全てが刺激的で、悪く言うなら常に不安を抱えていた。


人に好かれること、愛されることが怖い。
という意識が常に私のどこかにあって、付き合いたてのころはただ楽しいだけの幸せすぎる日々が怖かったし、実際に彼の前で幸せ過ぎて怖いと泣いたこともあった。

もちろん27年間生きてきて、恋愛っぽいものも経験はした。
けれどいつも追いかけてばかりの恋愛だった。自分で追いかけているぶんには何も失うことがなかったからだと思う。

彼からアプローチを受けた時に、今までと違う感じがした。
いつもより気持ち悪くない、というか、好かれたことが純粋に嬉しかった。
人からアプローチを受けると、気持ち悪いと感じてしまう癖があるのだ。
その人にはなんの非もなくても、好かれることがどうしても苦手だった。
だからいつも自ら叶わない恋ばかりを追いかけて、自分で勝手に終わらせるような恋愛しかできなかった。

でも彼が初めてだったのだ。
あ、この人になら付き合おうと言われてもこわくないな、と。

そして実際に付き合うことになった。

二人でいろんなところに旅行に行ったし、付き合い始めて2週間くらいずっと一緒に過ごした。
そのあとそれぞれの場所に戻ったけれど、私が東京にいったり、彼がこちらに来たりと、1カ月に2,3度は会っていたし、毎日電話もしていた。1日に何度も。
今思えば彼にとってそれは当たり前のことではなくて、頑張って私に合わせてくれていたのかもしれないなと思う。
よく、男の人は付き合いたてが一番盛り上がって、そのあと徐々に落ち着いてくるということがいろんなところに書かれているけれど、彼もそうだったのだと思う。

でも私はそれが当たり前だと思ってしまった。
当たり前がなくなってしまうときに、不安にならないひとなんていないと私は思う。
彼の仕事が激務なのは知っていたし、実際にこの目で彼の職場も見た。
一緒にいるときも仕事の電話をすることがあって、なんともなしに聞いていて大変なんだろうなと思ってはいた。
でも、それとこれとは別だと私は私の価値観に固執した。

どんなに仕事が忙しくても、ラインくらいできるはず。
だってトイレにだって行くし、睡眠だってとらなきゃいけないんだから。
5秒あれば済むことなんだからと。
実のところ、私は今まで激務ということを経験したことがない。なんなら正社員というものになったこともない。忙しい飲食店で働いてときもあったけれど、それは時間が決まっていることで、ほかの時間は好きなことに使える。
だからどんなに彼が仕事の現況を説明してくれても、頭では理解することができても共感することができなかった。
それとこれとは別じゃん、と心の中ではずっと思っていた。
だから彼の気持ちを信じられなくなったし、彼を放っておいてあげるということができなかった。頭の中はなんで?でいっぱいだった。
周りに相談すると、遊ばれているだけだとか、他に女がいるんだとか、いろいろ言われた。
確かに状況だけ聞けば誰だってそう思っても仕方ないくらいの状況だった。
でも私は不思議と浮気されているようには思えなかった。
ただ、気持ちは離れているんだろうなと思った。
そりゃそうだ。仕事に集中したいんだから。

悲しいことに、その時の私には信じて待つということができなかった。私の中心は彼で、彼ありきの自分でしか自分を見れなくなっていたから。
彼と出会うまではひとりでもそれなりに楽しくやっていたはずなのに、彼の連絡で一喜一憂ばかりするようになっていた。

とどのつまり自信がないのだと思う。
最初の話に少し戻ると、好かれることが怖いのは、そこにあると思う。
なんでこんな私のことを、って思うんだと思う。
変な人だなって思ってしまうんだと思う。
だから今までの人生では自分を好きにならない人が魅力的に見えたのだ。だって私を好きにならないということは、変な趣味をしてないってことだから。

彼と初めて島で出会ったとき、私はとても生き生きしていた。自分でも自覚できるくらい、のびのびと生活していた。それが魅力的だったと彼も言っていた。自分に対する自信まではいかなくても満足感のようなものがあったから、彼の好意を受け止めることができたんだと思う。

けれど初めての恋愛で初めてのことばかりで、訳が分からなくなってくると、私はやっぱり元の私に戻ってしまった。
やっぱり私は愛されるに値しないんだと。
どうせ彼も離れていくんだと。
そう思うと、あとはなげやりになるしかない。
結果的には終わりを告げたのは彼だけれど、壊したのは自分自身のようにも思う。

反省したいことはいっぱいある。
でも後悔してることは不思議とない。だって私は本気で彼とぶつかったし、拙いなりにありのままの自分をさらけ出せたから。それでだめならしょうがないんだと、今は思っている。
もちろん、私がもっと経験豊富だったり、脳内が彼氏ばっかりにならないような自立した女だったら結果は違っていたかもしれない。
でもその時の私はそれが私だったからしょうがない。
たらればほど無駄なものはない。

ところで、彼の方はどうだったのだろうか。
彼も彼なりに努力してくれていたのかもしれない。
そこはもう、わからない。
ただ、私は満足できなかった。
でもそれは彼が悪いとかそういう話ではなくて、恋愛に対するお互いの価値観が合わなかっただけなのだ。彼は時間的にも精神的にも余裕があるときにしか恋愛にエネルギーを使えないタイプで、私はどんなときでも全力で相手を愛したいし、愛されたい。彼は私の熱量を受け止めきれなかったし、私は愛情を連絡頻度などの目に見えるものでしか測ることができなかった。


とまあ、綺麗にまとめてみたはいいけど、本当は今頃新しい彼女と旅行なんかしてたりして。もしそうだったら笑うしかないね。


陳腐なことを言うようだけど、今はもう彼がどうしてるかなんて気にしてる場合じゃなくて、私は私を取り戻さなくちゃいけないし、もっと精神的に自立しなくちゃいけないんだと思う。それってすごく難しいけど。最近は新しい自分に出会うことにワクワクしている自分もいるから。精神的に自立するって、遊びでも仕事でも忙しくなることが一番手っ取り早い気がする。やることがいっぱいあれば、何か一つのことに集中するのって難しくなるから。

暇だから、依存するんだね。

この恋愛で学んだこと。




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