「多様性の尊重」と「インパクトの創出」の両立への挑戦〜eNPSを1年半で52上昇させ、売上16億円を達成した組織の話〜
初めまして。SHE株式会社の執行役員VPofHR/事業推進ユニットユニット長の、りこ(松尾恵梨子)です。
変化が激しく将来の予測が困難であることに加えて、個に焦点が当てられ、社員の多様な価値観を尊重することが求められる。
そんな難しい時代に、企業として成果を出し存続していくためには、visionを起点に多様な人材が融合しあい奇跡を起こしていくことが理想的な経営となる。それが令和だと思います。
一方で、スタートアップというのはどうしても、多様性を犠牲にしてスピード優先で実行していくことになるのも事実で、SHEも例外ではありませんでした。
そんな中、SHEは2年前、本格的に「多様性ある組織」への舵きりをすることに決め、「一人一人の持っている力を生かすこと」に対して、どの会社よりも真剣に向き合う組織を目指すことになりました。
昨年の4月、この覚悟に関してのnoteを書かせていただきました。
この覚悟の後、様々な施策を打っていったわけですが、
結果、今年実施した従業員エンゲージメントサーベイ(従業員満足度を示すeNPSというスコアを測るサーベイ)で、見事、実施企業114社の中で従業員満足度トップを取ることができました。
取り組み前の結果が0だったところから約1年半で、数値52も上げることに成功しています。それも、社員数が5倍に増えているにもかかわらずです。
※日本全国のGeppo導入企業の平均スコアは-(マイナス)57
今日は「働く場」としてのSHEへの思いとこだわりを伝えられたらと思います。
従業員満足度トップのSHEってどんな組織?
SHEの組織を一言で示すとどんな組織なのか?
社員はこのように答えてくれてますが、
私は、SHEを「しなやかさ」と「熱」の2つを兼ね備えた、強い組織だと思います。
と言われるように
ものに溢れ満たされることが多く、会社に所属をせずとも仕事ができる時代に、あえて会社に所属し、仲間と働く意味は、「好き」であるか、「没頭」できるか?が重要であることは自明だと思っています。
創業6年目のスタートアップ。
大手の企業と比較した時に、制度として整備し切れていないところや行き届いていない部分もたくさんある中で、満足度高く働いてもらえているのは、
「好き」という感情を抱くことができ、「没頭感」を感じてもらえているからだと思います。
それらが、あえて所属する意味をうむのだと感じています。
強い組織はどのようにして生まれたのか
そんなSHEを作るためにしてきた取り組みは、大きく3つだと思っています。
(1)何を大切にしたいのかの指針を策定したこと
これについては、昨年4月に書かせていただいたnoteにプロセスは記載させていただいておりますが、役員/社員の目線を合わせ、
・求める人物像
・人事ポリシー
・Value
を策定しました。
人事施策は、採用/教育/配置/報酬/代謝など本当に幅広い領域に存在します。そして、他社を見渡すと、魅力的な施策は本当にたくさんあります。
リソースも限られる中で打てる施策数には限界もあります。
ただ、今の時代に大切なのは、施策の中身だけではなくて、
なぜその施策をやっているのか?何を大事にしているから、その施策なのか?の思想だと思っています。つまり、指針です。
指針がある事が、強い世界観をもった組織を作っていく上で非常に重要な事だと思っていたため、まずそこから着手をしました。
(2)指針に基づき一貫して施策を打つこと
違和感を持たせない一貫した施策と、グレーをできる限り残さないこと
それにより、強い没頭は作られる。
だからこそ、人事ポリシーに基づき、一貫させた組織施策を打つことを徹底しています。
採用活動/評価制度/福利厚生についてそれぞれ大切にしているポイントと、取り組み内容を紹介させてください。
<採用活動>
<評価制度>
<福利厚生制度>
Vision体現組織という組織戦略
人事ポリシーに基づき一貫した施策を立案し遂行したことに加えて、昨年11月から、「Vision体現組織を目指す」と新たな組織戦略をとっています。
私たちのVisionは、「一人一人が自分にしかない価値を発揮し、熱狂して生きる世の中を創る」で、SHEの本質的な提供価値は「変革」です。
他の会社に模倣不可能なサービスを提供していくために、組織にどんな共有認知があると良いのか?
そこから逆算して考えた時に、
・社員の一人一人が、個に起こる「変革」がなんたるかについて解像度高くもてていること
・「自分にしかない価値」を自覚し、「熱狂する」ということを体現していること
つまり、SHEの社員全員がVisionを体現できている、そんな状態を作ることが、サービスとしての競争優位につながる、そう考えて、Vision体現組織を目指すことを組織戦略としておきました。
社内研修での説明では以下のようなスライドを用いて説明しています。
口でいうのは簡単ですが、スピードとインパクトが求められるスタートアップで、多様性を犠牲にせずに、社員一人一人の価値や変革と向き合うことにも時間を割くことは、難しい決断です。
それでも私たちが、
Visionを体現できずに
SHEが社会に提供しようとしている変革が何かを分からずに
良いサービスをお客様に届けることはできない
そう思っています。
だからこそ、ここに本気で、取り組んでいます。
具体的な取り組みとしては、元々存在していた、会社としての目標である「KR」や、行動指針となる「Value」の他に、
個人としての目標である「Vision」や、エネルギー源泉である「最高価値」囚われがちな固定概念「呪い」と言う新たな概念をつくり浸透させたことです。
社員が自分自身の価値や固定概念、熱狂と向き合い、会社との接点を捉え直す事を会社としてもサポートをし、Visionを体現しながら会社Visionの達成を目指す枠組みの設計をしています。
この取り組み自体は、実はとんでもなく奥深いもので。
経営陣みんなで、何度も議論を重ね、ときにはぶつかりながらも、試行錯誤を繰り返してここまできています。
「自分のwantと、会社のmustの重なりを見つけましょう。」
この枠組み自体は、よくあるマネジメント本にも書いてあることだし、いうのは簡単です。
一方で、メンバーの「want」の「純度」というものについて考えたことがある人はどれくらいいるでしょうか?
自分自身の「want」が、「誰の価値基準のものでもない」と確信を持って言える人はどれくらいいるでしょうか?
だからこそ、社会の「こうあるべき」、というwantの純度を濁らせ、世界の見方を歪ませてしまう、その人特有のありとあらゆる固定概念を取り去り、
純度の高いwantを取り戻すことを大切にしています。
そして、
下手すると、個人のwantやVisionの追求で終わりインパクトにつながらな無い、いわば生温い施策になってしまったり、「会社辞めます」といった、自分軸の追求に進んでしまう可能性もなくは無い中で、
これをやり切るという意思決定のできる会社はどれだけあるでしょうか?
だからこそ、純度高いwantで、自分が本当に見ていたい世界がクリアになったときに、
その世界とSHEのVisionの世界はどう重なっているのか?
今の仕事が、自分のVisionにどういう意味があるのか?
KRというものを、自分の見たい世界から捉え直すという機会も丁寧な説明を何度も繰り返しながら、徹底してやっています。
これらをやり切れるのは全て、揺るがないVisionがあるからです。
奇跡が起こる場所、SHE
この、大きな3つの取組を行う事で、結果としてeNPSが0→52と言う数値に飛躍を遂げました。
eNPSと言う定量的な結果以外にも、メンバーに起こった様々な変化があります。
広報PRでキャリアを積んできて、社内でも大活躍してくれているマネージャーが、
「責任感で期待に応える」と言う固定概念を取っ払い、その範疇を超えて
怖さを抱えながらも自分がやりたいことにチャレンジをしたり
会社や人からの期待/役割が生命線になっていたマネージャーが、
アーティストになりたいと言う本音を取り戻した事で、目の前の仕事の捉え方が変わり
SHEが会員様に提供しているサービスの本質的な価値に気付いたり。
こんな素敵な個の変革が、至る所で起こっている。
だからこそ、Visionを本気で信じられることができて、自信を持ってお客様にサービスを提供でき、圧倒的な成長を続けて来れている。
それがSHEと言う場所です。
HRとして気づいた大切なこと
人事ポリシーとVisionを基点に一貫した採用/組織づくりをやってきた中で、HR歴約2年と言う未熟者ではありますが、一つ気付いたことがあります。
組織に命が吹きこまれて、1つの生命体として自我が芽生えた時に、
私個人の意図なんてものは、とんでもなく小さいもので。
この大きな生命体を、操作したりコントロールするなんてことはできないと言うことです。
実は4月から、HRだけではなく事業推進ユニットと言われる部隊も責任者をしており、俯瞰と客観で組織づくりをする仕事だけでなく、作ったものを実行し、インパクトを出す側として事業組織も見ています。
半期責任者を務める中で、この事業推進ユニットは大きな変化を遂げたと思っています。
未来に向けて布石を打ち続けてはいましたが、
この成果もプロセスも、私が意図した通りかというと、それは違います。
これは私の意図の範疇を大きく超えて、
バラバラだった個がまとまり、組織に命が吹き込まれ、
自我が芽生え、一つの生命体として自律して目標に向けて動いていく
そんな体験でした。
そんな瞬間を目の当たりにさせてもらい、
組織というものの美しさに、感動して涙をしました。
もちろん、責任者として複数打ち手は取っていましたが、それだけではなく
様々な人からの様々な声がけや、様々な会社としての仕組みがありました。
その全てが、欠かせない布石であり、
HR責任者の私が事業部も見るんだから、
どのユニットよりも成果とVision/Value体現をしている組織にしないと!
などと言ったちっぽけな私の意図などで操作できるようなものではなく。
欠かせなかった全ての布石に対して、
個々の集合体から生まれた生命体という、もっと偉大なエネルギーがまとまることで、自律性が芽生えたのだと思います。
少し抽象的な話になってしまいましたが、何が言いたいかというと、、、
組織が小さいうちは、声も通りやすく、意図は反映され、コントロール化に置けるかもしれません。
ただ社員が50名を超えてくると、それは難しくなってきます。
そうした時に、事業が目指すべき方向に、組織が適応させるためには必要なのは操作やコントロールではなく、組織という生命体の声に耳を傾けることと、起こるべき適応課題に布石を打ち続けること、組織の生命体としての自律性を信じることだと思ってます。
私たちの本質的価値とは?
とあるお客様のお話しです。
大手企業に事務職として就職したものの、今の仕事が向いてない、もっと頑張りたいと、何度も転職を考えていたお客様。
でも、それを周囲に相談する度に、
「せっかく安定した企業に入ったのに。やめるなんてもったいない。」
「女なんだから、安定した会社で、結婚して、そこそこ頑張るのでいいのよ。」
そんな言葉を浴び続けてきたそうです。
「確かにそうだよな。もったいないし、何がスキルがあるわけじゃないし。」
そう思ううちに、数年が経過し、
当時お付き合いされていた方と結婚したものの、旦那様が転勤に。
転勤先に移住するため今の仕事をやめなければいけなくなり、
「私の仕事人生って何だったんだろう」
そんな風に思ってしまったそうです。
「場所に囚われず働ける、新しい仕事を見つけたいけど、スキルも自信もない。」
「それでも、変わりたい」
そんな思いを抱えながら、体験レッスンに来てくれます。
初めてSHEの世界に触れて、
勇気を振り絞って、
これまで周囲に否定され続けた自分の夢を話した時に、
「素敵ですね」
キャリアプランナーが、そんな言葉をかけてくれます。
この言葉が、果たして彼女にとって、どれだけ救いになったでしょうか。
どれだけ、彼女の背中を押したでしょうか。
一歩踏み出して、SHEのサービスを使い初めて、
学習やコーチングを通して、得意なことや苦手なことに気づくことができスキルがついていく。
自分の夢を堂々と語り、一生懸命頑張る仲間がいる。
さらに、ステップを踏みながらお仕事にもチャレンジできて自信がついていく。
このようにして、SHEではたくさんのキャリアチェンジが生まれてきました。
私たちが提供している本質的な価値は「変革」なのです。
この小さな個人の変革が熱狂の渦となり、社会課題を解決していくインパクトとなっていく。そんな風に思ってます。
だからこそ、私たちはこれまで、個に起こる「変革」の解像度や、「自分にしかない価値」を自覚し、「熱狂する」ということを体現する、を組織として取り組んできました。
そして、そこの浸透が十分なしえてきた今、今度は、もっともっと、大きなインパクトを起こしていくそんなフェーズにきたと思っています。
それは今のままで止まるだけでなく、もっとその先の、届けたい、大きなインパクトがあるからです。
SHEは、「しなやかさ」と「熱」の2つを兼ね備えた、強い組織です。
個人の変革が熱狂の渦となり、社会課題を解決していくインパクトとなっていくのと同様に、SHEの組織は、個々人の持つ世界観の集合体による強さを持っています。
だからこそ、居心地の良さを感じ、好きで、没頭しちゃう。そんな唯一の場所になっているのだと思います。
これからどんどん大きくなっていくSHEですが、
色々な人の世界観が重なってまた新たに生命体が進化していく、その美しさを見れるのも、SHEの醍醐味なんじゃないかなと、私は思います。
奇跡のような会社で、世の中に奇跡を起こしていきたいと思う方、こんなSHEで一緒に熱狂しませんか?ぜひ応募をお待ちしてます。
11月20日(日)、東京日本橋でSHE初となる、日本最大級の女性リーダーサミット「INNOVATIVE WOMEN’S SUMMIT」を開催します。
基調講演には小嶋陽菜さんや弘中綾香さんにご登壇していただきます!
この日しか味わえない豪華ゲストとの濃密な時間をお楽しみください。
サミット特設サイト:http://iws2022.shelikes.jp/
またこのサミットを共創する協賛パートナーを募集しているほか、法人チケットプランもございますのでご興味ある方はぜひ下記フォームからお問い合わせください。https://forms.gle/7gBwpUzLVHuiC35r8