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交換の「おと」【19曲目】

かすみちゃん、大丈夫!今回お初にお目にかかりました!


James? / ichikoro

何を聴かされているんだろうなあと思いました。


……語弊を生みそうな言い方をしちゃったよ、そうじゃなくて。
例えばじゃあこの曲を他の誰かに紹介するとして、「へえ、それ、なに系?」とか聞かれたら私はなんて答えるのが適切なんだろうって。え?なににカテゴライズすべき?これ。

この曲はコロコロと音の重量が変わっていく。
まず入りの部分は、なんかフヨフヨしている。「フワフワ」ではない。もっと湿っぽい「フヨフヨ」だ。私はここを聞いて、なぜかマリオのお化け屋敷のコースが頭に浮かんだ。
そのフヨフヨ部分を抜けると、コロッと一気に軽快なギターに変わる。かすみの言っていた通り、ジャズ的でかっこいい。
そのテンションまま最後まで持って行くのかと思いきや、ちょっと盛り上がってきたところで、これまた突然音が表情を変え、今度はだいぶヘビーなサウンドになる。これはこれで別ベクトルにかっこいい。
と、こんな感じのことを繰り返していた。

箇所によってその性質を大きく変えていて、ジャンルという枠組みのひとつに入れるのにはだいぶ無理がありそうなリベラルな一曲だ。
ちなみに、Apple Musicがこの曲をどのジャンルに分類しているのかを確かめてみたところ、「インストゥルメンタル」だった。
……うん、難しかったんだろうなあ。


ここまで判別しづらくは無くとも、最近はジャンルをまたいでいったり、そもそもジャンルをあまり意識していないと語っていたりするアーティストが少なくないと感じる。私は母とよく、お互いの好きな曲を家のスピーカーで流して鑑賞するのだが、私が割と新しめの曲を流していると「これ、なんのジャンルなんだろうねえ?」と母が不思議そうな顔をすることがよくある。

こうなってくると音楽におけるカテゴライズの必要性すら問われてきてしまうような気さえするけれど、ここで「ジャンルなんて関係ない!アーティストがやりたいことを自由にやればいいよ!」みたいな結論を出すのはあまりに簡単すぎるよね。

リスナーがこの曲を聴いたときに「なにこれ!?」と困惑できるのは、それぞれのジャンルのべーシックを知ってるからだ。その困惑の訳を言語化できる理由もまた然り。
カテゴリーがあるから、その文脈に沿ったものを愛せるし、その文脈を逸脱したものに驚けるんだよな。なんてことも考えてしまいます。


私から霞へのおすすめ

Trip Note / tricolor

2曲目です!
今すぐ無印良品にすっ飛んで行きたくなるようなアイリッシュ。

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