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知りたがりやの猫

著 林真理子

林真理子さんの本はこれが初めてかもしれない。

平成19年出版になってるけれど、今読んでも古さは全く感じない。

時代が変わっても変わらないものがたくさんあるってことなんだろうな。

この本は学生時代に読んだら、少し重く感じたかもしれない。
結婚出産した30代の今読むと、重くも軽くもなく。
老舗の喫茶店でこだわりのブラックコーヒーを飲んだ時の気持ち。

美味しい、でも苦い、でもだからいい。
そんな感想を持った本だった。

行動自体に目を向けると、世間から非難されそうなことでも、その行動してる1人の人間自体に目を向けると、非難なんてする気になれない気がする。

不倫も家族や親子関係も、言葉でスパッと説明できるはずがない。

養老孟司さんの本だったか、「言葉が先にあるんじゃなく、言葉はあると便利なツールである」という文章を読んで、すごく納得した。

人の日常や生活はそもそも言葉で表すことはできない。

それをどうにか言葉で表現したものに対して他人がどうこういったって、そもそもそこにないものを叩こうと、空中でぶんぶん手を振り回してるようなものだ。

「生活」も「日常」もそんな物体なんてそもそも存在しない。

人がみなそれぞれ色々な気持ちを抱えながら生きている、過ごしているだけなんだ。

そんなことをぼんやりと思った今日この頃でした。

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