見出し画像

通関士はおススメと言っている「あなた」がなぜ「元」通関士なの?その疑問にお答えします。


ズバリ!!「通関士であり続ける」ことは「会社に依存し続ける」こと。

前回のテーマである「通関士を目指してみたい方へ!!(前編、後編)」は予想以上にたくさんの皆様に閲覧をいただくこととなりました。本当に、ありがとうございました。認知度イマイチの「通関士」ですが、たくさんの方が興味を持たれていることがわかり、元通関士としても、大変うれしく思っております。

 さて、前回「通関士はおススメだよ」と声を大にして言っている私自身が現在は「行政書士を目指すアルバイトドライバー」であることに対して「なんでやねん!!」と思ったかたも多いことでしょう。

 今回は「通関士であり続けること」について語っていきたいと思います。一部の人にとっては、「知りたくない現実」を知ることになるかもしれませんが、最後まで読んでいただくことで、必ず、気づきがあることと思います。

あなたは「通関士」ですか?「会社員」ですか?究極の選択が必ず訪れる。

 「通関士であり続けること」は「会社に依存し続けること」を意味します。つまり、「通関士であると同時に会社員である」こととなり、そこには、必ず「会社の方針」があります。

 極端な例を一つ挙げましょう。以下の選択を迫られた場合、あなたはどちらを選択しますか?

 例)社内で上位顧客となる輸入者の通関が「明らかに関税法違反」であることを「通関士のあなた」が発見して上司に報告したが「上位顧客だから会社として関税法違反を見逃したい」と言われた場合。

①会社員であるから、上司の命令に従い、「関税法違反」を見逃す。
②上位顧客でも「関税法違反が明らか」であれば、通関士として、指摘する。

答えは①です。

「え~っ!!噓でしょう?」と思ったかたは、残念ですが「通関士」には向いていません。なぜなら、通関士のあなたは「会社に雇われている会社員」だからです。

 「上司がダメだわあ」と思ったかたも多いことでしょうが、「会社員は上司を選べない」と同時に「通関士も上司を選べない」のは当然のことです。会社勤めをする以上「上司が必ずしも有能とは限らない」というのは、社会人を経験されている皆様であれば「なるほど」と納得されることでしょう。

「通関士は、会社員」。上司が関税法違反の黙認を命令することは、ゼロでは、ない。

 「大丈夫です!世の中、そんな無能な上司ばかりではありません!!」と言いたいとこですが、経験上、実は結構、直面する問題です。
 そして、現在「アルバイトドライバー」である私は、「通関士を続けることによる「会社依存の人生」は、もう難しい段階に来たな」と感じていたこともあり、すでに3年前から「行政書士試験」に挑戦しておりました。
 2024年である今年、「(私の勤める)大阪の営業所の閉鎖の発表」と「(自身の)行政書士試験合格」が重なることで、「このタイミングしかない!!」となったのです。
 これが「元」通関士である所以となり、決して「通関士の仕事が嫌だったわけではない」ということです。

通関士が楽しくなった時こそ、「通関士は会社員」を呪文のように唱えましょう。

 通関士を長く経験すると、国内外の貨物を自分の思うままに動かせる力がついてきます。その時には「通関士」であることが楽しく、ちょっとした「士業先生」になったような気持ちになるでしょう。そんなときこそ、呪文のように「通関士は会社員」を繰り返してください。通関士は士業先生ではなく、会社員であることを自ら再確認することで、きっと、あなたの通関士としての人生は長く続くに違いありません。
 そして、もし、そんな「通関士人生」に疑問が生じる時が来たとしたら、その時こそが、通関士である「あなた」が「新たな未来に向けて動く」タイミングだと、伝えておきたいと思います。

本日も最後まで読んでいただき、誠にありがとうございました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?