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通関士を目指してみたい方へ!!「元」通関士が語る「通関士」として働くということ (前編)

はじめに

国際物流業者に勤めること計3社で約20年。「元(通関士)」だから語れる「今だからこそ伝えたい、通関士として働くということ」を自らの経験に基づき、お伝えしていこうと思います。今回は「通関士」を目指して通関士試験を受けようと考えているかた向けのnoteとなります。

まずは、私自身の経歴を簡単に記載しておきます。
 (※運送会社勤務後→通関士試験合格してからの経歴です)
 <中堅>国際航空貨物取扱業A社(約13年)
    輸出CSチーム(約1年)
    輸入通関チーム(約4年)
    輸出上屋立ち上げプロジェクト(約1年)
    輸出保税蔵置場管理(約2年)
    輸入保税蔵置場責任者(約5年)
 <中堅>一般倉庫業B社(約2年)
    輸入通関チーム(約2年)
 <中小>国際航空貨物取扱業C社(約5年)
    輸入通関チーム(約5年)

一生、会社勤めをしたい人は「通関士」は最高の資格である

 「通関士」を目指したい方にとって「通関士は食べていけるのか?」「儲かるのか?」という切り口の話題が最も関心や興味があることであるかと思います。
 この業界に約20年勤めた私は、その答えとして間違いなく、こう断言できます。
「会社員として、人並みに十分お金がもらえて、一生食べるのに困らない最高の資格である」
 
 ここであえて「通関士として」ではなく、「会社員として」という言葉を使いました。核心はここにあります。

「通関士」は「会社員」であり他の士業とは性質が異なる

通関士を目指そうと志すかたであれば「他の士業」のリサーチを行っていることと思います。「通関士」と同じ、合格率10%台で有名どころの国家資格といえば、
・宅建士
・行政書士
が、まずリサーチ対象となったのではないでしょうか?合格率10%の資格に合格しようと思えば「最低1年」。さらに1年、2年と勉強を積み重ねなければ合格できない場合もあります。
 そして、同じ勉強期間であれば「その後の人生に有利なもの」を選択したいのは当然のことと言えます。
 では、「その後の人生」を考えるにあたり、最初に訪れる「合格した後」を、まずは想像していただきたいと思います。

・宅建士  所定の講習を受講→本人が宅建士を名乗ることが可能
・行政書士 行政書士会に登録→本人が行政書士を名乗ることが可能
・通関士  通関業者に就職→税関への届出→通関業者の通関士となる

もう、お気づきですね。「通関士」は「会社(通関業者)ありき」で名乗れる資格ということになります。

会社が「本人のキャリア」を考えることは、まずない。ある日突然の辞令で「通関士」でなくなる。

ここから、前編の核心部分に触れていきます。

「通関士試験に合格した以上、今後も通関士としてキャリアを積んで、立派な通関士になりたい!!」
 勉強を積み重ねて、通関士試験に合格し、無事に就職できたとしたら、きっと誰もがこのように考えることだと思います。

 残念ですが、この考えはまず捨ててください。「通関士」はよくも悪くも「会社員」であり、会社内での扱いは「社員の一人」です。つまり、会社が社員の一人をどのように配置しようが自由であり「本人の意向など、どうでもいい話」なのです。それは「通関士」有資格者であろうが、実際に従事していようが、関係はありません。

 例えば、会社として「今度、アフリカに新規で事務所を作ろう」となった場合には、会社は「適材適所」を判断し、その適任者として「通関士のあなた」に辞令を出すことは当然にあることなのです。そして、アフリカへの異動を決断したら、その時点で「通関士」ではなくなります。

 冒頭に私の簡単な経歴を載せました。長くお世話になったA社(約13年勤務)で通関士として仕事していたのは実質「約4年」のみ。これがすべてを物語っているのではないかと思います。

それでも、「通関士」は魅力的な最高の資格だと断言できます。

 「勉強をして通関士になっても、通関士として働くことができない可能性があるなら、資格取得に魅力を感じないなあ」と言いたくなる気持ちはわかります。それでも、「通関士は魅力的な資格」と私は断言できます。ここでガッカリはしないでください。
 長くなりましたので、ここからは先は「後編」でお伝えします。通関士を目指す方にとって、きっと「がんばってみようかな」と前向きな気持ちになれる仕上がりになると思います。


 


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