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通関士を目指してみたい方へ!!「元」通関士が語る「通関士」として働くということ (後編)

「後編」お待たせしました

 「前編」に続き、通関士に興味や関心を持った方が、通関士試験合格後に「通関士として働くこと」をテーマに記事をまとめてさせていただきました。
 「通関士試験の合格テクニック」や「通関士のお仕事紹介」ではなく、経験者であるからこそ語れる「通関士試験合格チケットの活かし方」をお伝えいたします。通関士を目指される方はぜひ、参考にしてみてください。
 では「後編」スタートします。

会社員と士業のハイブリッド資格?令和の時代に「通関士」であること


 前編では「通関士は会社員だから、普通に異動を命じられ、思うように資格取得後のキャリア形成がしにくい」趣旨の話をしました。
 資格取得を目指される方は、多かれ少なかれ「この時代、会社に依存するだけの人生では将来不安だよね」という気持ちをお持ちだと思います。
 ましてや「合格率10%台の国家試験」を目指すのであれば「最低1年は勉強することは覚悟」のはずです。ほかの人が「飲んで、騒いで、遊んで」いる間にです。(すいません、少し言いすぎました。)

前編を読んで「通関士、あんまり魅力ないな」と、すっかり気落ちしてしまった方は、ここからが要注目となります。
 「会社に依存せず、会社依存型国家資格の通関士を天職として仕事をされている方が実は多くいる」というお話です。
 「依存?依存しない?」決して、文章の打ち間違いではありません。この理屈こそが、今回、最もお伝えしたいことなのです。

容易な転職を可能とする「通関士」の魅力

 会社内でのつながりを「縦のつながり」と例えるならば、「通関士」は同業他社同士の「横のつながり」を同時に持ち合わせています。
 私を含む「異業種からの転職組」が一番驚くのは、このことなのです。
 少し極端な例になりますが、X社通関士とY社通関士とZ社通関士は「お仲間」であり、X社通関士が「Y社が通関士募集してるよ」、Y社通関士が「Z社の通関士が今度X社に行くことになったよ」などという情報が当たり前に飛び交う世界なのです。

 前編の私の経歴でもわかるとおり、B社、C社と「輸入通関士」として容易に渡り歩いています。また、「通関士として実績があれば、40歳どころか、50歳を超えても転職が可能」であり、私の周りでも、最近52歳の通関士のかたが同業の通関士に転職しました。
 会社員であるにもかかわらず、横のつながりにより「年齢による転職限界を気にする必要がない特殊な力」が「通関士」にはあるのです。
 つまり、一度「通関士」として実績を積めれば、「通関士を辞めます」と自分で決めることがない限り、「通関士で仕事をしていける道がある」ということになります。

「会社の命令に従いながら、課長や部長を目指していくなど、社内におけるキャリア形成を行う選択(縦のつながり)」や、「何歳でも転職が可能というメリットを活かしながら、通関士としてのキャリア形成を行う選択(横のつながり)」も、自らの意思で自由に行うことができることになります。

 その他「メーカーや商社」などの輸出入者に転職する者、薬事や食品に特化して貿易事務所を自ら立ち上げる者。周りの「元通関士」を見れば、選択肢を挙げだすとキリがないほど可能性は無限に広がっているのです。

「通関士試験に合格したら、一日も早く通関士になる」。業界内の無限ループで転職に困らない「通関士」という仕事。

ここで、通関士試験に合格し「合格チケット」を手に入れた場合の最高の活用術をお伝えします。
 「通関士試験に合格したら、まず通関士になる」ことが最優先です。海上通関?航空通関?SP(スモールパッケージ)通関?と迷う必要はありません。なぜなら、「業界内の無限ループ」により、「その後のキャリアは自分で決めることが可能となる」からです。
 万一、「今の通関士の仕事がイメージと違ったなあ」となった場合でも「営業・CS・保税蔵置場・海外」への異動、「他社の通関士に転職」「メーカーの購買部門や物流部門」「商社の貿易部門」等、選択肢は限りなく広がっていることでしょう。

 通常の企業への就職となるため、未経験であることや、年齢であることなど、初めの「就職」の部分で苦戦する場合もあるかもしれません。会社が求める人材は「その会社」でしかわからないため、ここで「これがいい方法だ」ということは当然できませんが、「通関士を希望し、とりあえず入ってしまえばチャンスが生まれる」ということは、十分お伝えできたのではないかと思います。
通関士試験合格は皆様の想像以上に「プラチナチケット」です。絶対に無駄にせず、有効に活用してくていただきたく思います。

本日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

2024年4月12日追記
 今後の「元通関士」に関するブログは、「しぇるてん2」に掲載させていただく予定です。
 何卒、よろしくお願いいたします。

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