オリエント美術の世界 〜古代ローマと鉱物〜
古代ローマの博物学者ガイウス・プリニウス・セクンドゥスは、著作『博物誌』の中で、鉱物に関する章を設けている。古代ローマでも鉱物は彼らの生活を支える上で欠かせない存在だった。様々な道具に利用されたり、その神秘的な見た目から迷信が生まれたり、ローマ人と鉱物の関係性は興味深い。ここでは、そんなローマ人と関わりの深い鉱物を一部紹介する。
ティレニア海に浮かぶイタリアのエルバ島から産出した赤鉄鉱。この地から採掘された赤鉄鉱は古代ローマの文明を支えた。エルバ島の赤鉄鉱はローマが鉄器を生