スピッツ - 冷たい頬(コード進行分析#8)
こんばんは。
久しぶりの「好きなコード進行を歌ってみた」シリーズ第8弾です。
先月は忙し過ぎて出来ませんでしたが、
やっと普通の日常が戻ってきたんて、今度こそ週一目指して頑張ります。
歌うまへの道のりは長い!
歌ってみたやつ
本家
ポイント1
はい、今回のポイントはずばり初めの4小節のコード進行ですね。
V → III7/#V → VIm → II
となっています。
なかなか変わってないですか?このコード進行
少なくとも自分の引き出しにはないです。
まず、サビの頭がドミナントになってまして、
普通、まあ世の中の大半の曲は、トニックかサブドミナントか、
その代理コードの類でサビが始まると思います。
ドミナントって不安定な響きを持ってまして、
とにかく次のコードへ行きた~いって感じの意志を持ってるコードなんで、
2小節目とか4小節目とかに使われることが多いですよね。
特にサビの頭なんてのは、ドーンと、どっしり行って、
次のコードで展開を作っていくってのが主流だと思いますので、
サビ頭のドミナントは珍しいと思います。
まあ珍しいだけなら、あれですが、
この曲はちゃんとキャッチー! そこがすごい。
なんてったって天下のスピッツですから、
綺麗なサビ、綺麗なコードだなー って聞いてて感じます。
頭のドミナントの次は、III7に行ってまして、ここではルートが#Vになってるので、次のVImと合わせて、ドミナントのルートから半音ずつ上がっていくクリシェになってます。
確かにクリシェ感あるサビですが、なんとなしに聞いてた時は、
まさかこんなコードになってるとは思ってなかったですねー。
あと、III7の次はVImに進行してて、ここではAマイナーっぽい、ちょっとマイナーな切なーい雰囲気が出てます。これぞIII7の威力ですね。
そして、4小節目のノンダイアトニックコード、IIメジャーがまた、気持ちいい!
Am→Dという、キーGでのツーファイブの流れになってて、
とても自然で、気持ちのいいコード進行です。
とにかくスピッツはIIメジャーの使い方が抜群にうまいイメージを持ってます。
というかそもそも、このコード進行、
ぱっと見、どっちかというとキー「C」よりキー「G」に見えません?
キーGで考えると、I → VI7/bII → IIm → V
となり、まあ2つ目のコードはちょっと変わってますが、
トニックのルートのクリシェになるんで、結構自然かと思います。
そんでAm→Dのところは、ツーファイブですね。
あくまで、メロディはキーCなんですが、
コードだけ弾くと、キーGっぽくもあり、
全体として、めちゃくちゃ自然で綺麗なコード進行に感じます。
いやーおもしろい!
僕はこんな曲作れないですねー
この曲の作曲難易度はめちゃ高な気がします。
ポイント2
そして、実は同じ所でもう一つポイントがありまして、
それは歌のメロディーです!
まず、頭の「G」で、「♪す~ぎて~」の「す」が、
「ミ」の音なんです。
これは、Gには入ってない、コードで言うとG6の音ですね。
そして、次の「E7」で、「♪こ~いが~」の「こ」が、
「ファ」の音なんです。
これも、E7には入ってない、E7(b9)の音ですね。
さらに、次の「Am」で、「♪ま~ぼ~ろし」の「ま」が、
「シ」の音なんです!
これも、Amには入ってない、Am(9)の音ですね。
そして、最後のDで、そのまま「レ」の音を踏んで、綺麗に着地すると。
これに気付いたときは目からうろこ、
なるほど、これがこの曲がオシャレな理由か!
と思いました。
上で書いたように小節頭のメロディをコードに含めてしまうと
G6 → E7(b9) → Am(9) → D
と、見るからにオシャレなコード進行になっちゃいます。
自分が曲作ってると、サビのメロディとコードって、どうしてもお互いに引っ張られてしまうんですが、
この曲はことごとく頭を外して進んでいくという、
コードだけじゃなく、メロディもめちゃ高度です。
脱帽です。
いやーこれは真似できないですねー
恐るべしです。
まとめ
という訳で、今回はスピッツの「冷たい頬」を取り上げました!
余談ですが、僕はこの曲めっちゃ好きで、
個人的に、サビで16分のタンバリンが入ってくる曲ツボなんですよねー。
初めて聴いたときは割と衝撃を受けた気がします。
自分がスピッツにハマったのは多分中学くらいの頃だったと思うのですが、
それまでは、チェリーとロビンソンと渚とスパイダーくらいの印象しかなくて、もちろんいいんですが、べたというか、王道というか、そんなに心惹かれる感じではなかったんですよね。
でも車の中でベストアルバムが流れてて、そこで初めて聴いた、
運命の人、冷たい頬、楓のコンボで衝撃を受けノックアウトされた記憶があります。
めっちゃ良いし、なんかカッコいいじゃん!って感じでした。
今聞くと、別にロビンソンも渚もめちゃ好きでカッコいいんですが、
なんか当時は物心ついたときには聞き飽きてた みたいな感じで、
あんまり新鮮味がなかったんですよね。
それが、新鮮なスピッツってこんなにカッコいいんや! ってなったのが、冷たい頬でしたね。
おっと、ついついスピッツについて熱く語りかけてしまいましたが、
とにかく今回は、
ドミナント始まりのサビ!
そして、コードの頭のメロディでことごとく外す!
という、自分にとって目から鱗だった一押しのコード進行を紹介しました!
それではまた!
さよなら~
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