医学部志望理由(ガチ)
このような話題ではなにか特殊な体験をした方や特殊な思考の持ち主の話が好まれるように思いますが、それを差し引いても大学に入ってから話すことが多いように感じたので書いておこうと思います。
医学部に限らず大学の志望理由は人それぞれですから、共感や反感は色々あると思います。しかしながら自分としても、こうして文章にすることでこの内容を忘れる、とまでは言わないですが過去の自分として少し離れた視点を持てることを期待しています。
では本題の医学部に進学した理由に移ります。
小学生の頃の夢は水泳せん手(笑)でしたが、中学から駒場東邦という私立の進学校に通い始めたため、すぐにその夢は失いました。
叔父が医師をやっているので、少なからず影響を受け漠然と医師を目指すととりあえず言っておく感じで中学以降は生きていました。
私はもともと小学生より自然科学がとても好きで、中学生のときには素粒子物理学にはまりました。毎週newtonという科学雑誌を本屋で立ち読みしていました。当時スマホはおろかインターネットに触る環境すら与えられていなかったので、それが十分娯楽として機能したのだと思います。
高校2年くらいで受験を考えたときに、将来は研究者一択だと決めました。理由は当時、水泳部の部長をしていて一人で黙々と泳ぐことや自分で練習メニューを作ったりすることが最も性に合っていると確信したからです。みんなでワイワイするのも苦手なので、研究者は理想的だと考えていました。具体的には、本当はスティーブン・ホーキング的な素粒子・宇宙物理学の最先端で研究する人生をイメージしたのですが、現在のトレンド領域は競争率が高くて活躍できなそうなので、当時脚光を浴び始めていた量子コンピュータの研究者になろうと思いました。
幸いにして進学校にいたこともあり、通常ならば東京大学に行くのが順当なルートでしたが少し背伸びをして、東京医科歯科大学に行き医師の資格をとってからではないとできないコンピュータの研究などを任されたいと思いました。しかし実を言うと、当時の私は普通に東大に行くような成績だったのでこれで東大に行くのはつまらないという考え方を持っていました。周りより少しレベルの高い大学に受かっておきたい、という少し歪んだ考え方が志望理由のメインであったように思います。現にもしチャレンジしよう、みたいな気分だった場合は明らかに東京大学理科三類を目指していたはずです(成績的に目指せないわけではなかった)。
とはいえ医師になってから量子コンピュータの研究者になる、というのは完全な屁理屈というわけではなく、実際に脳神経の思考プロセスを模倣したコンピュータの研究が進んでいるといいます。その中で医師の研究者は希少性があり、なにかしら役に立てるだろうと期待しました。しかし実際には医学博士でそういう発想で研究を行っているという人も既に珍しくないということを知り、量子コンピュータ研究に今から参入する研究者は既に飽和状態で、自分の信じていた研究者像は20年前に研究を始めていた人のものだったというような印象を現在では受けています(詳しいことは知りません)。
以上が私の医学部志望理由になります。他には医師の資格を取っておけば食いっぱぐれないだろう、みたいな発想もあるにはありましたが、ほとんど意識されなかったように思います。
ちなみに大学生になってからの私の生活は高校生とは真逆で、1人で黙々と何かに熱中する、みたいなことは全くありませんでした。むしろ大学生になって初めて経験した、スマートフォンによるインターネットの世界と女性を含めた人間関係によって動いていく社会という2つの大きなテーマに魅了され、高校生の自分が出したはずの結論など忘れてしまっていました。周囲からは変わったと言われましたし、自分でも変わろうとしたから当然のことです。
そんな中、大学2年のときに大学の研究実践プログラムというものに参加しました。無意識に研究者になる未来を忘れつつも意識の上では研究者を志していた私としてはチャンスと考え、色々な教授がそれぞれの研究室について話すのを聞き、いちばん興味が持てた公衆衛生学の研究室に行くことにしました。しかし、そこでの雰囲気や研究者の仕事内容などに少し触れさせて頂き、非常に申し訳ないことですが全然やる気が出ず研究室には全然行けませんでした。学科のカリキュラムが忙しかったことや部活で次期幹部であったことなどを言い訳にしていましたが、本心での答えは既に出ていました。これが決め手となり、もはや研究医志望を名乗らなくなって2年弱が経ちます。
こうして医師免許への希望を失い、結構大変な医学部の勉強に向かう気持ちになれなかった私ですが、今は目標があります。日本で医師免許を取得したあと東洋医学を学ぶことです。現在コロナという得体のしれないウイルスに悩まれている現状は近代科学を基礎とする西洋医学では解決することが不可能だと考えています。また、東洋医学は西洋医学と同様にれっきとした学問であるにも関わらず、医学的にはほとんど相手にされていないと感じます。これは私が高校生の時に量子コンピュータ研究に対して目をつけたのとは違うものだと確信しています。
最後まで読んでくださりありがとうございます。この文章は一応、大学受験を考えている高校生が目に留めてくれることを期待して書きました。即ち、大学に入ったらSHELF-TEACHERをよろしくお願いいたします。
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