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夢がリアルすぎてもはや思い出

仕事終わりに昔付き合っていた先輩とマクドナルドに行ったら、後ろに並んでいた二人組の男にナゲットを横取りされそうになった。

私が他の商品を受け取りに行っている間に盗まれて、小さなビニール袋(ナゲットの箱を入れたら丁度いいくらいのサイズ)に使用済みのソースのゴミと一緒に私のナゲットと新しいソースが入れられた。

私はビニール越しに透けて見えるそれを見ながら彼らが話しているのを聞いた。ビニール袋を持っている一人が「これバレんじゃねえの〜?」と言っているのが聞こえた。

私は一瞬で彼らの手口を理解した。

もしも私に気づかれたら、使用済みのソースを見せながら「これはゴミだ、勘違いするな」と説明するつもりらしかった。

私は咄嗟に男が持っているそのビニール袋を掴んで、怖い顔をしながら『離せよ😠』と言った。お前らの魂胆は分かっている、という具合に。
何度か攻防戦が繰り広げられ、『警察呼びますよ!!』とか『ふざけんなよ』とか言いながら。それを見ていた店員の女が「警察呼んじゃえばいいのに。すぐ隣にあるんだから。」みたいなことを呟いていた。
『もう二度とすんじゃねえぞ!』と捨て台詞を吐いて彼からビニール袋を奪い取った。

一連のこの騒動を見ていた先輩が「あなたすごいね」的なことを言って褒めてくれた。

無事ナゲットを救出した私はバーガーを食べながら、今起こったことを必死に先輩に説明した。『そいつが話してるのが聞こえたんだよ!』とかそんな感じで。
先輩から、奴らがナゲットを入れていた小さな袋はコンドームを買った時についてくる袋だと知らされる。ナプキン用の黒い袋みたいな。黄色くて中身がわかりにくい、なんか文字も書いてあった気がする。
それを聞いた私は『やだ〜🥹😭』と困った顔をした。

先輩はいつもの酔っ払った先輩で、ニコニコしながらそれを聞いては私を褒めてくれた。私たちはその日のあと当分会えないらしかった。だから先輩が色々と選別の品をくれた。私が盗人を撃退したご褒美も含めて。
リリアン用の可愛い糸をくれたり。
紙袋に入った靴下のセットとか。(値札が取られてないのを見て、店員さんにちゃんとプレゼント用ですって言いなよ〜と思った)
何かもう一つ大事なものをもらった気がするけど、それが思い出せない。

私は勇気を出して寂しい、帰りたくないと言ったあの日のことを思い出しながら『あ〜帰らなきゃ…😞』と言って先輩にもらったプレゼントたちをリュックの中に押し込んだ。

酔っ払った時や急いでいる時の感覚、携帯の時刻を見ても数字にしか見えなくて一体何時なのか全然理解できなかった。
21:40なのか、もうすぐ22時になるのか、23時になるのか、はたまた実は0:40なのか分からなかった。
ただこの40分ということだけ理解出来て私は焦っていた。
『あれ?終電まだあるのか?今何時だ?ん?まだ21時?22時?私45分が終電なんですよ。23:45だっけ、0:45だっけ』
都内から実家に帰る日は終電が早いので、気がついたら終電がないなんてことが起こりやすくてそれを恐れている。
それと、ここで終電が無くなった女になりたくなかった。

「あれ俺長袖持ってきたはずなのに」
『さっき着てましたよ』
「あそうか笑😚」
先輩はやはり酔っ払っている。

私たちはバタバタと店を出た。
マクドナルドは駅の構内にある。
東京の主要駅の線の多さは異常だ。
案内表示を見て自分の帰る方向を確認する。
仕事なのか携帯とにらめっこしながら私について来る彼に
『先輩はあっちですよ!!』とメトロの案内表示を指差した。
「ああ、ごめん。」余裕のない返事。
『じゃあね!』と手を伸ばしたけれど
彼は携帯から顔をあげなかった。

こちらを向くのを待たずに私は自分の帰路へと向かった。
これからもう会えなくなるというのにこんなにあっけない別れなんて寂しい悲しいと同時に、先輩らしいなと思いながら歩く。

段々頭も動いてきて私の終電にはまだ1時間ほどあることが分かった。

目が覚めて夢だったことを自覚した。
午前3時過ぎ。
疲れてお風呂にも入らず寝てしまった。

だけど今日は違う人のことを考えながら寝たのに、結局彼の夢を見るのか。

でもきっとバイバイしてたから大丈夫。

こんなにはっきり夢を覚えているのは久しぶりだな。相変わらずありそうでない内容だったなあ。

忘れる前にメモしておこう、
書き終わると4時になっていた。

今日は一日夢で起きた出来事を思い出して、『あの日は楽しかったな』なんて思った。

時々夢と現実が交錯する。

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