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おっさんずラブというジャンル

こんなに夢中になったドラマは初めてだ。
「おっさんずラブ」に見事にハマってしまったのだ。そんなドラマが、明日終わる。

元々ドラマは1クールに1本か2本軽い気持ちで見ていて、基本的に見逃しても特に気にしなかった。
その私が、テレビ雑誌を買いあさり、リアルタイムで見ないと気が狂いそうだし(実際に飲み会途中で帰った事もあった。すまん)、見終わった後そのままネット配信でもう1回見ていた。1話から欠かさずに。

そもそも何故見始めたのかというと、きっかけはSNSだった。
SNSの広告で見かけ、本編開始前に2016年に放送されたスペシャル版がネットで配信されていたのだ。
この際だから正直に言うと、学生時代オタクだった私は当時、女子オタクの通る道、BLも読んでいた。それが大人になって漫画自体をほとんど読まなくなったのでBLももはや忘れたような状態だった。
何となく時間があったので「へぇ~BLドラマ地上波でやるの?どんな感じ?」と軽い気持ちで見たら、このスペシャル版がめちゃくちゃ面白かった。
そして、主人公の春田は年齢が近く、のうのうと暮らしている私は共感できる点もあり、連ドラも1話目から見る事にした。しかし、自分と同年代は「おっさん」と表現されてしまうのか……自分も年とったな。と、しみじみ。
ちなみに、スペシャル版の後輩役・落合モトキさんの演技が健気で色っぽくてとても良いので是非見てほしい。彼の演技なくして、おっさんずラブの評判は広がらなかっただろうし、連ドラ化も無かっただろうと勝手に思っている。あくまで勝手にだが。

主人公が上司に告白され、戸惑っていると今度はルームシェア中の後輩にも告白されるというストーリーは同じだが、後輩の設定が変わっており役者も林遣都さんに変更になった。この林さんがまた良い演技をするので視聴者は「牧くん!!」とハラハラしている人が多い。思っている事をうまく口にしないが、目線の演技が素晴らしい。1話のラストの告白からキスシーンは衝撃だし、かと思えば2話では意中の春田を巡って上司をケンカするわ、ノンケの春田の為に身を引こうとするわ……何なの?もう目が離せなかった。もうこれは「BLのドラマ」なんて表現ではおさまらない「おっさんずラブ」だ。完璧にジャンルを確立させた2話だった。
もちろん𠮷田鋼太郎さん演じる、部長のヒロイン感も凄い。春田といる時の部長はとにかく可愛いく見えるから不思議だ。スペシャル版と違い、まだ奥さんがと別れる前にカミングアウトしてしまうので、奥さんは恐らくドラマ史上初の肩書「ヒロインの妻」と表現されたのも面白い。部長と奥さんとの関係も実に美しい。途中までは本当に心から「部長は奥さんと元サヤがハッピーエンドだろ!」と思っていた。このヒロインの妻もものすごく可愛い。ちなみに、幼馴染のちずも可愛い。女性陣が最後幸せになれなかったら美女の無駄遣いになるので、女性陣にもラストは笑ってほしい。
同僚、牧の元カレなどそれぞれのキャラクター設定が濃くて見ているうちに「どうにか、皆が幸せになる方法は無いのか……」と頭を抱えるようになっていった。

魅力的なキャラクターが多いが、私はやっぱり主人公の春田が最後どんな決断をするのかとても楽しみにしている。
失礼ながら、これまで田中圭さんの演技に対して特に強い印象を持った事は無かった。今まで、優しくて周りを立てるイケメン俳優だな、くらいのイメージだったが、このドラマにかける意気込み、顔芸を含めた振り切れた演技。こんなに演技の幅がある役者だと思ってなかったです。すいませんでした。
主人公の春田は「ロリ巨乳が好き」とか夢見がち。いい人だけど、生活力が無い。友達としてはいいけど、彼氏にはしたくないギリギリアウトな感じが良く表現されていた。正直、田中圭レベルのルックスなら「でも、カッコいいから」で全部許されるところ、春田は「でも、春田だし」と笑ってしまう。しかし、最初は続けざまに男に告白され戸惑う春田が、人として向き合っていく姿は実に真っ直ぐで、春田が少しずつ成長する姿に涙した。お粥はお餅になったけど。
牧役の林遣都さんの演技が素晴らしいのも、田中圭さんが座長としてチームを引っ張ったからだろうと思っている。

そして、おっさんずラブを深夜ドラマで視聴率も低いながら話題にしたのはSNSの使い方だろう。インスタは「おっさんずラブ」の公式アカウントだけでなく、「武蔵の部屋」なる裏アカが弾けており話題になった。武蔵の部屋は愛するはるたんの隠し撮りが基本で、タグの使い方が非常に上手。おっさんずラブのスタッフに天才がいるぞ。
また、ドラマで使用された物が特定される度に話題になり、企業も注目している。続編を望む私としては是非スポンサーになって頂きたい……

衝撃のラストで終わった6話から1週間が過ぎ、最終話が直前となった。
誰が誰の手を握るのか、最後まで楽しみたいと思いつつ、終わってしまう事が本当に寂しい。
是非ともDVDとサントラの発売、続編を検討していただきたい。

こんな楽しくて、恋がしたくなるに作品にリアルタイムで会えてよかった。

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