娘に贈る回顧録 16/7300 ムーミンシールのおかげさま
総合病院の待合室
絵本を読みながら待つ
アレルギー克服のための治療を
本格的に始める
今日は血液検査
アルコールのにおい
注射器が目に入る
グズリ始める
膝にのせて、採血準備
「ほら、ムーミン知ってる?
このカンカンの中にいっぱい
シールが入っているよ
開けて見てごらん」若い看護師さん
左腕はチューブと消毒
右手で缶の中を探る
細い腕に針が入る
3本も採血する
見ている方が、辛い
ムーミンを1枚選ぶ
針が抜かれて、絆創膏
「えらい!上手に出来たね
ごほうびにもう1枚選んでいいよ」
笑顔の看護師さん
娘も嬉しそうに選ぶ
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この後数ヶ月に一度
検査を受けることになる
シールや指人形や折り紙
毎回違う物が用意されていた
毎回泣かずに終えられた
親としては、気分が暗くなる
病院だけれど、
娘はむしろ楽しみになっていった
3歳の春
注射と病院がムーミンに結びついて
辛い治療も乗り越えられる
きっかけになった日だった