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父への便り。


皆さん、こんばんは。
しーぷ。と申します。

久々に筆をとったのは、今日が、私にとって年に一度の大切な日だからです。
今日は、「父の日」。父への感謝の気持ちを伝える日です。

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ふれて回る話ではないのですが、
私は小学校に入学する前、父を病で亡くしました。それ以来、母親が単身、私と弟を育ててくれました。なので、「母の日」はいつも感謝の贈り物を渡しています。
ただ、私にとって今でも父の存在はとても大きいので、この「父の日」も、感謝の気持ちを亡き父に添える日にしています。


父のことで、少しだけお話を。

〜〜〜

父の葬式があった日、会場のそばで見かけたことのないお婆さんが一人立って拝んでいる姿を、父の友人が見つけました。
気になって声をかけると、そのお婆さんはこう言ったそうです。

「この人は、いつも私の話し相手になってくれて、色々手助けをしてくれていたんだよ。偶然、亡くなられた話を聞いて、せめてお悔やみ
申し上げたくてね…。」

なんとこのお婆さんは、いくつも離れた町に一人暮らしをしていた方で、
わざわざ足を運んできてくれたということ。

私の父は酒屋で営業をしていたのですが、その外回りの間で定期的にお婆さんの所へ顔を出し、時には荷物を運ぶのを手伝ったり、時には話し相手になって、一緒に時間を過ごしていたようです。

父の友人も、その話は知らなかったため大変驚いたそうですが、
父の性格をよく知っていたため、すぐに腹落ちしたと言っていました。

〜〜〜

私は、幼い時に父を亡くしたため、ほとんど父の記憶がありません。
そこで、よく近所の方や人伝てで父の話を聴くのですが、いつも決まって返ってくる言葉が、


「君のお父さんは、本当に優しい人だったよ。」


この世に、誰にも等しく“優しい”と言ってもらえるような人がいるのか。
心が、大きく震えました。

そして今でも、そんな父の姿が、私の生涯の目標でもあります。これほどの誇りある目標をくれた父に、私はいつも感謝をしています。
いつも、本当にありがとう。

そして、これからも。


最後に、父への想いを綴った詩で結びとします。

先程、ほとんど父の記憶がないと話しましたが、
唯一、優しかった父を思い出せるこんな風景があります。
高校生に書いた短歌ですが、今でも心の栞にしています。
いつか自分にも子供が出来た時には、この父の姿を重ねて…。




“かたぐるま  父より高く  空仰ぐ
 今は空より  たかい父を想う”






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