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8 早く来てほしかったような、来てほしくなかったような月末の水曜日、約束の日が訪れた…
7 須賀先輩と私が会って話したことを知らないはずがないのに、由香里も玲奈も、そして郁美…
6 迎えた翌日の午後一時、私は須賀先輩と二人、皆川大学の学生御用達だという喫茶店「オ…
5 〈サムシングが再結成するんだって〉 由香里と玲奈に「須賀先輩と会って話せないか」と頼…
4 大学生活の滑り出しは上々だった。まだまだ音楽と関係のない教養科目が多い座学の講義で…
3 大学生活二日目を終えて、私と郁美、そして由香里と玲奈は学習室で履修登録の用紙を前に…
2 翌朝の八時半過ぎ、一睡もできなかった重い頭を無理矢理身体の上に載せるようにしてアパートを出た。徒歩十五分ほどの大学までの道のりを歩いているうちに、身体を動かしたおかげか少しずつ頭の中にかかっていた靄が消えていき、代わりに初めての大学生活への不安が改めて膨らみ始めた。 (緊張してる?) 私のものではない声が脳に響く。昨夜マリーと名乗った幽霊―だと思う―の声だ。やはりあの出来事は夢ではなかったのだ。 「当たり前でしょ、知ってる人もいないし。だいたい私、人前が大の苦手なん
1 ここまで来てしまっては、もう引き返せない。いや、引き返すものかと覚悟を決めてここま…