【書き出し用】年単位で放置された18禁_二次創作の続きを書こう_薄桜鬼_狂咲鬼哭_16

 黒く煮え立つ行き場のない獰猛な意志が、下半身に集中して、独立した生き物のように小刻みに震えた。千鶴に対する申し訳の無さと、千姫の嘲笑に対する怒り、空回りする焦燥感が最悪な形で暴発しようとしている。
 あとは、だれかが引き金を引くだけであり、その引き金を引いたのが――。
「風間さん、貴方は酷い人です。もっと早く、新選組が健在な時に、私を攫ってくだされば、こんなことにはならなかった」
 千鶴は断罪する。中途半端な甘さを。風間千景の傲慢を。
 蘭方医の娘であった千鶴から、彼女の望む日常を奪ったのは綱道であり、新選組であり、そして自分であることを。
 過去にさかのぼれるのなら、綱道をみつけたあたりで千鶴を強引に攫えばよかった。新選組に自分たちの罪を自覚させて、絶望させたのちに千鶴を最終的に攫おうとしたことが、千鶴の運命を大きく狂わせてしまった。
「貴方が散々、私を人ではなく鬼だと意識させて、嫁にすると強請り、江戸に帰り元の日常に戻る意思を、人間として生きて行こうとする意思を、最終的には挫いてしまった」
 千鶴の言葉は昏(くら)く、どこまでも淡々としていて、恨みつらみを発露する段階を【自分たち】がとうに過ぎていることを、否応なしに突き付けられるのだ。
 
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