【書き出し用】年単位で放置された18禁_二次創作の続きを書こう2_薄桜鬼_狂咲鬼哭_19

 耳元で紡がれた言葉は、残酷なほどに甘くて、美しくて、それでいてどこかほろ苦い。
 報われたような悦びが胸の内をくすぐって、風間の全身の血が音を立てて循環し、心臓が早鐘を打った。顔が熱く、尖った耳までも赤く熱を帯び始めている。
「このっ……」
 悪態をつこうにも、言葉がのどに詰まってもどかしかった。
「千景さん、照れていらっしゃるのですか?」
「うるさい……」
 くすくすと笑いだす千鶴に、風間が不機嫌な声で言う。しかしそんな姿さえも愛おしいと思うのだ。たまらなく幸せで、嬉しくて、そしてどこか不安になる。
 どんなに汚濁に塗れようとも、雪村千鶴の根本的な部分は変わらず、自分のうちに誰かを受け入れようとも、決して心を許すことはない。
 そんな彼女から「愛している」という言葉が出たのだ。
「千景さんは、私ではご不満ですか?」
 千鶴の挑発するような物言いに、風間は千鶴に報いなければと気持ちを固める。

 

「つづく」

#薄桜鬼
#18禁
#18歳以上
#風間ルート後
#二次創作
#風間 ×千鶴×千姫

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?