【書き出し用】年単位で放置された18禁_二次創作の続きを書こう_薄桜鬼_狂咲鬼哭_71
「雪村は人の世に干渉することなく、滅びを選んだ。ゆえに、雪村家の遺児となるお前たちは、ここで死ななければならない。いや、千鶴、薫よ。お前たちはここで死ぬべきなのだ!」
「――っ」
父の発言に呼吸が止まりそうになる。ひゅっと音をたててのどが絞まり、薫の目から涙があふれてきた。降りかかった理不尽が、まさか自分の一番信頼している実親からもたらされる事態に、魂を引き裂くほどの衝撃と激痛が走る。
「千鶴も兄様も、ここで死なないといけないの?」
この期に及んでも妹の方は冷静だ。事態が分かっていないのではなく、逆に事態を正確に汲んでいるからこそ、次期頭領として育てられた双子の片割れは、大きな瞳にうっすらと涙を溜めつつも、怯えることもすくむこともなく、立ち上がって父へと問う。
「どうしても?」
「あぁ、死ね。すぐに死ね。どう足掻こうとも、結末は同じなのだ……それでも、生きたいか?」
「生きたい!」
即答する千鶴に、父は「そうか」と笑いかけた。
つづく
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