【書き出し用】年単位で放置された18禁_二次創作の続きを書こう2_薄桜鬼_狂咲鬼哭_16

 あの時、土方さんは……。
 脳の片隅にある記憶をたぐりよせて、千鶴は呼吸を整えるような自然な動作で、風間から顔を離した。互いの舌が唾液の橋で繋がり、そして途切れて、乱れた呼吸音が室内に淫靡に響く。
「ふっ……、なんだ? もう限界か?」
 千鶴に対して虚勢をはる風間は、唇を艶やかに濡らして、陶酔をおびた甘い息を吐いていた。頬が上気して紅の瞳を蕩けさせている表情。この顔を今から自分が歪ませていくのかと想像すると、千鶴の胸の内に強い嗜虐心と優越感が心臓を高鳴らせた。
 土方も、もしかしたらそんな気持ちだったのだろうか。
 束の間でも、この男の頭を支配し、これから始まるであろうまぐわいに、期待で胸を躍らせていたのだろうか。
「お前は悪い嫁だな、いったいなにを考えている?」
 恨みがましい低い声がしたと同時に、再び千鶴の唇に風間の口が覆いかぶさる。
 風間のことだから、千鶴の考えていることはお見通しであるのに、わざわざ口に出して言う所に、この男の愚かしい素直さと、男女の駆け引きを知らない純粋さが少しうらめしい。

 

「つづく」

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