【書き出し用】年単位で放置された18禁_二次創作の続きを書こう2_薄桜鬼_狂咲鬼哭_22月

「あ、ふぅ、う……」
 ただ角を触れ合うだけなのに、こんなにも体が感じることは千鶴にとっても想定外だった。
 頬を上気させて桜唇から荒い息を吐き、快楽の海に脳を浸しつつも、医者の娘であったが故の興味が、鬼の角についてある考察をすすめていく。千鶴が我が身の角によって思い至るのはそれは、動物の角ではなく虫の触覚だった。人間の五感よりも鋭敏であり、優れた空間認識能力によって天敵の動きを補足する。同族の匂いを察知する。そのためには、千鶴の知識にはない、いや、人間には存在しない様々な神経が角に集中して、脳に直接、情報を送っているのではないか。
 と。そこまで、思考をすすめて、改めて自分は人間ではないのだと現実がつきつけられて、胸のあたりに痛みが走る。
 鬼としては疑問にもつことのない、生まれた時からの当たり前の感覚。
 人間だと信じ込み、角を意識せず生きてきた千鶴にとって、どうして風間と千姫との会話に、時々齟齬が生じているのか、ようやく原因が思い至った。

「つづく」

#薄桜鬼
#18禁
#18歳以上
#風間ルート後
#二次創作
#風間 ×千鶴×千姫

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?