【書き出し用】年単位で放置された18禁_二次創作の続きを書こう_薄桜鬼_狂咲鬼哭_68

 自分がこの部屋を出たことも、これから自分がやろうとしていることも、すべては決められていることであり、運命の強制力を感じれば感じるほど深まってくる無力感。
 千姫が寝かされている地下の部屋に向かう脚は、薫の意思なのか、それともあらかじめ決められた運命の道程をなぞっておることに過ぎないのか。
「父は、正しかった」
 ぽつりと零す言葉は震えている。亡霊の如く蘇った過去の情景に感情が渦巻き、今まで自分が綱道としてきたことが、なにもかもが哀れな、けれども盲目で幸せな道化だったのだと思い知る。
『千鶴、薫、選べ』
 なぜ自分が今更思い出す。なぜ自分だけがこんな目に遭う?
 記憶の暗闇の中で、雪村家の当主であった父が、目をぎらつかせながら子供たちをねめつけている。次期当主である千鶴を最初に、千鶴の次席である薫の名を次に呼び、火の粉が舞い散る部屋の中で覚悟を決めたように座り込む。

つづく

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#風間ルート後
#二次創作
#風間 ×千鶴×千姫

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