【書き出し用】年単位で放置された18禁_二次創作の続きを書こう_薄桜鬼_狂咲鬼哭_77

 自分が双子の片割れだという意識が強いせいなのが、薫は千鶴と風間のような互いの存在を消して一つになる愛の形を否定する。
 お互いがお互いを必要とし、抱きしめた時に愛する者の鼓動を感じる喜びと、千姫の涙をぬぐう存在でありたい労わりと、唇の感触を楽しんで舌を絡ませながら、己の虚ろな部分を愛する者の呼吸を肺で満たしていく恍惚を、それを年老いても積み上げていく努力を――あの二人は選ばすに放棄した。
「千(せん)」
 思わず薫は千姫の名前を呼んだ。
 読んだ瞬間に全身の血がかっと熱くなり、混沌とした感情が腹の奥から渦巻いてくる。
 彼女を抱きしめたい。洗い清められたあとも、柔らかな肌の感触と甘い髪の香りを嗅ぎながら、我が子の存在を身近に感じて眠りにつきたい。
 だが、だからこそ、頭の中で逆らおうとしていた運命が、さらに形を成して薫にとって魅力的な映像をちらつかせながら薫に迫ってくるのだ。
 

つづく

#薄桜鬼
#18禁
#18歳以上
#風間ルート後
#二次創作
#風間 ×千鶴×千姫

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